第535話大伴坂上郎女の跡見の田庄にして作りし歌二首
大伴坂上郎女の跡見の田庄にして作りし歌二首
妹が目を はつみの崎の 秋萩は この月ごろは 散りこすなゆめ
(巻8-1560)
※妹が目:はつみの枕詞。愛しい人の目を見る意味で掛かる。
※はつみの崎:未詳。
吉隠の 猪養の山に 伏す鹿の 妻呼ぶ声を 聞くがともしさ
(巻8-1561)
※吉隠の猪養の山:奈良県桜井市吉隠に東北の山。当時は墓地。
はつみの崎に咲いている萩の花は、せめてこの月の間は、決して散らないで欲しいのです。
吉隠の猪養の山に住む鹿が、妻を呼ぶ声を聞くと、なんとも心が引き付けられてしまいます。
万葉時代の貴族は、都に邸宅を持ち、田舎には農園を持っていた。
この二首は、坂上郎女が、農作業のために、田舎に来ていた時の歌になる。
田舎ならではの、広い空間があって、目にする萩や、妻を求めて鳴く鹿のかん高い声を聞き、都とは違う風情を感じたのだと思う。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます