第525話我が背子を いつぞ今かと 待つなへに

藤原宇合卿の歌一首


我が背子を 何時そ今かと 待つなへに 面やは見えむ 秋の風吹く

                         (巻8-1535)

※藤原宇合卿:藤原不比等三男。遣唐副使。常陸守、西海道節度使を歴任。

長屋王の変事件に主体として参加、長屋王を自決させる。

その後は、天然痘の流行により死去。



あのお方が、いつ来られるか、今来られるかと、待ち続けているけれど、もしかして来られないのではないかと思うままに、秋の風が吹いているのです。


秋の風は「飽きられた」の意味もあり、待ち人が来ないのは、実は自分が飽きられたためではないかと、不安を詠う。

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