第348話花を詠みき
島廻すと 磯に見し花 風吹きて 波は寄すとも 取らずは止まじ
(巻7-1117)
島めぐりをしていたら、磯に美しい花が見えたのです。
あれほどの美しい花は、たとえ風が吹いて波が激しく寄せても、私のものにしないではいられません。
素直に磯に咲く花とは思えない。
おそらく、磯の花は、旅先の宴会などで見かけた島の美しい女性。
噂(風)が立とうと、波(競争相手)が押し寄せたとしても、我がもの(女)にしたいとの意味と思う。
酔った勢いの戯れ歌のようで、誰もまともには聞いていないけれど、楽しく罪のない歌と思う。
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