第283話松浦県佐用比売の子が領巾振りし~(2)
足日女神の 命の魚 釣らすと み立たしせりし 石を誰見き
(巻5-869)
百日しも 行かぬ松浦路 今日行きて 明日は来なむを 何か障れる
(巻5-870)
神功皇后様が、魚をお釣りになろうとお立ちになった石を誰が見たのでしょう。
百日の距離もない松浦までの道。今日行って明日帰って来られるというのに何が邪魔をするのでしょう。
神功皇后が新羅出兵の成否を占い、玉島川の石の上に立って鮎を釣った故事(日本書紀)を引用し、大伴旅人氏の一行は、松浦川にて、その故事に基づく石を見ているのでしょうけれど、私(山上憶良)は留守番のため、見ることができないと、残念がる。
筑前から松浦へは直線距離で四十キロほどで、歌の通り、一泊二日の行程。
筑前国司山上憶良氏は、国司としての勤めがあり、同行は不可能だった。
置いてきぼりの、悔しさを素直に詠んでいる。
所要が出来て、社員旅行に参加できない寂しさにも、通じるものがある。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます