第160話笠女郎 わが命の

わが命の 全けむ限り 忘れめや いや日に異に 思ひはますとも

                         (巻4-595)


私の命がある限り、貴方のことを忘れることなど、できません。

日に日に、想いが増しているのですから。



この歌は、素直にいい歌と思う。


恋人を、一心に恋い慕う。

命の続く限り、貴方が好き。

忘れるなど、無理。

日に日に、どんどん、想いは増している。


甘酸っぱい歌、笠女郎の想いをそのまま詠んだだけと批判する人は、いるかもしれない。


しかし、誰でも、一度は抱いた恋心の「粋」が、この歌にはある。

訳者も、とても、好きな歌の一つです。





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