第161話笠女郎 八百日行く
(巻4-596)
歩くには、気の遠くなるようなほど長い浜辺の真砂の数でさえ、私の恋心にはかないませんよ、沖つ島の島守さん。
沖つ島守には、「島を守る者、島の番人」などの意味がある。
「気が遠くなるような長い浜辺の真砂の数よりも、自分の恋心が勝っている」と認めて欲しいと、そこの「浜辺付近の沖つ島守」に語り掛ける。
しかし、沖つ島守には、「ひとりさびしく暮らすこと。だれからも取り残されて暮らすこと、孤独な人」の意味がある。
そうなると、この「沖つ島守」は、大伴家持に「取り残された」、笠女郎自身なのかもしれない。
自分自身の熱い恋心に応えることのない大伴家持に苦しみながら、自分自身を「沖つ島守」として、自問自答。
「こんなに思っているのに、取り残されている」
これも、実らぬ恋の名歌と思う。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます