第139話我が君は わけをば死ねと思へかも
大伴宿祢三依の歌一首
我が君は わけをば死ねと 思へかも 逢う夜逢わぬ夜
(巻4-552)
※大伴三依:大伴旅人の下僚
※わけ:若者の意味らしい。
あなたは、こんな若者など死ねと思っているのでしょう。
逢ってくれる夜と逢ってくれない夜と、いろいろあって、どんどん日が過ぎていくのです。
「君」とは誰か。
現地での愛人か、あるいは遊行女かもしれない。
その愛人が気分屋なのか、遊行女にはもっと金をはずんでくれる上客がいるのか。
若手官僚のそれほど金がない三依などは、簡単に約束など反古にされて、フラれてしまうのかもしれない。
地方の女性にとってみれば、都から来て、土着することがなく、いつかは都に帰る官僚などは、余程のことがない限り、深く恋愛感情などを持たないのかもしれない。
適当に相手をして、欲しいのは金品。
それに期待ができない、三依などは、どうでもいい。
「貴方の場合、たいした金もよこさないよね、だから私の暇な時にだけ、逢ってあげる」
そんな感じだろうか、なかなか女性はシビアである。
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