第119話 女性の覚悟
安倍女郎の歌二首
今更に 何をか思はむ うちなびき 心は君に寄りにしものを
(巻4-505)
わが背子は 物な思ひそ 事しあれば 火にも水にも 我がなけなくに
(巻4-506)
今更、何を思いためらうのですか。私の心は、すでにあなたにうちなびいて、寄り添っているのに。
私の愛しい貴方、余計な物思いはなさらないでください。何か事があれば、火も水も気にしないと思う私がいるではありませんか。
もう、私の身体も心も貴方に捧げると決めました。
だから、余計な心配はなさらないでください。
何と、強い女性から男性への求愛だろうか。
おそらく男性は優柔不断なタイプだったのだろうか。
しかし、女性は、そんな男性を好きになってしまった。
好きになった理由など、聞くのも想像するのも野暮なこと。
しかし、覚悟を決めた女性は、とことん強い。
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