第48話 長屋王の馬を寧楽山に駐めて作りし歌(2)

岩が根の こごしき山を 越えかねて 音には泣くとも 色に出でめやも

                         (巻3-301)

岩だらけの山を越えるのは、声を出して泣くほどの困難。

しかし、妻への想いなどは、出さない。


涙が出るほどの辛い岩山を越えようとするけれど、妻を心配させたくない、だから弱音は吐かないという意味なのだろうか。

苦労が伴う旅をする、それに耐えきる覚悟も全て、家で待つ愛する妻のため。

妻への強い愛が、気持の強い支え。


ただ、それだけではない。

様々な困難に遭遇した時にも、心の支えとなる歌と思う。


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