新しい生活

余記

移住

なぜ、これがマンションと呼ばれるかというと諸説はあるが大体、昔の地球でこのような建物に住んでいたから、という話に落ち着く。


「地上にいるのにこんな狭い場所に住んでいたなんて、昔の人は変な習慣でもあったのかしら。」

「いや、その頃は宇宙に移住する技術が無かったから、狭くても仕方なく共同で住んでいたらしいよ。」


宇宙ステーションでの持ち家の狭さに辟易したぼくらは、新しく居住可能となった星への移住に応募したのだ。


大質量投搬装置マスドライバー空間歪曲ワープ装置によって、理論上、宇宙のどこにでも貨物を送り込めるようになった今、他の天体への移住も衝撃緩衝装置ショックアブゾーバーのついたコンテナマンションに人を詰め込んで送り出せば殆ど一瞬だ。


ドーン!

マスドライバーの動作する轟音に続く、ワープに伴う奇妙な感覚を感じた後には、着地の激しい音がして移送は完了する。




移住先では、星長が着地予定地点を立ち入り禁止にして待ち構えていた。

「ようこそ。新しい星での生活へ!」

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新しい生活 余記 @yookee

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