攻城戦を主題に描いた作品は数あれど、それはあくまで人と人との戦い。よくて亜人たちとの闘争であることが多い。
もちろん破城鎚や投石機、あるいは策謀を巡らせた闘争も良いものですが、人智を超えた存在相手に、我々の持ち得ない技術でもって対するのは、それだけで心踊るものです。
と同時に、作者には重厚な世界観とそれを描き切る力量が求められます。
本作はまだ出だしと言ったところですが、それを確かに感じさせるだけの強烈な個性と文章力があります。
あらすじを見るだけでも、「この作品には何かがある!」と、心揺さぶられるセンスを感じます。
本格的に始まるのはまだ先ですが、巨大で異形な海洋生物相手に、『羊』達がいかに生き抜くのかに期待に胸膨らむ未来の傑作です。