マンション

天神シズク

何処かに続く階段

 僕の家の近くにはキレイなマンションが建っている。もちろんセキュリティはバッチリだ。

 そこは僕ら小学生にとっては絶好の冒険スポットだ。セキュリティの”穴”を見つけ、中に入る。

 目の前には地下に続く階段があり、そこにはロープとこんな文字が書かれた紙が貼ってあった。


 立入禁止


 小学3年生の僕には、この4文字の漢字は半分しか読めないけど、意味は分かる。入ったらダメってことだ。そんな場所、入ってみたいに決まってる。今の僕は冒険者だ。こんなロープは簡単にくぐって越えられる。

 暗い階段を下る。カバンから懐中電灯を出し、階段を照らした。階段がぐにゃぐにゃと歪んだように見えた。

 怖くなった僕は階段を駆け上がった。しかし、いつになっても入り口が見えなかった。僕は諦め、階段を下ると光が見えた。嬉しくなって、走って降りた。

 そこは、僕が見たことない場所だった。見たことない生物がいた。その生物が口を動かした。


「今日のエサが来たぞ」

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マンション 天神シズク @shizuku_amagami

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