1.はじまりは

ボク

「ららららーら、ららららーら、らららららららんららららら」

暗闇に響くハナウタ。目の前には1人の少女。

--そして、行き場をなくした “ボク”

18~20ぐらいだろう少し変わった少女がボクの前に立っている。黒いパーカから見える白い髪もフードから覗く真っ白い肌もところどころ赤い。目までは見えないが少女は赤く、赤く濡れている。それはなぜがとても美しく見とれているボク。自分よりひと回りしたぐらいの少女にだ。ずっと、ずっと見ていたいのに、目が霞む、意識が遠のく。

「あぁ……ぁ」

声を出して、少女に手を伸ばした。


--瞬間 口から血が溢れ出た。その時ボクは初めて少女に刺されたことを自覚した。

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殺人鬼の裏切り(仮) 留守 光麗 @rio_story

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