マテリアルチェンジ~クリスマスの夜から~

@nikora

第1話

俺の名は空渡勇太、未来人だ。西暦2117年の未来に偶然、異世界アルスナーダに転移して仕舞い、ダークエルフの女の人のガラナに憑依して仕舞った。そして色々あって、今は2016年吉祥寺のL女学院のクラスメートの、北条亜里査という女の子の家で同じクラスメートの紗理奈とアルスナーダから来た化け猫族のニーニャとハーピーのエリちゃん、相棒のブレスレットのガイバーンと一緒に居候している。


ある時、不意に苦い思い出が甦り、北条さんの家を飛び出した。そして気を紛らわす為に、吉祥寺の街に出る事にした。


俺は吉祥寺の街で夜、一人でウインドウショッピングをしていた。

そして暖かそうなアウターのあるショーウインドウの前で、立ち止まり


「どうしたの?勇太?」


ガラナはショーウインドウに映る俺の表情を見て気に成ったのだろう。


「そんな辛そうな顔をして・・・・またあの子の事を思い出していたのね?」


「・・・・うん。」


俺は微かな・・・消えそうな声で応えた。


「あの事はどうしようも無い事だったわ。其に勇太が悪い訳でも無いし、誰かが悪い事では無いでしょ?」


とガラナは優しく諭す様に話し掛けた。


「でも・・・・やっぱりあの時、何か遣りようが有ったんじゃな無いかって、思い出しては何度も考えて後悔して!」


と思い余って俺は叫んで仕舞ったのに気付き、言葉を詰まらせ


「勇太・・・・せめて今だけ二人に戻って勇太を抱き締めて挙げたい・・・。」


ガラナが呟いた。


俺は異世界でダークエルフの女の人の、ガラナに憑依して仕舞って今はこうしているから・・・・


「今日はクリスマスの夜、そんな奇跡が起きたら良いね。」


「クリスマスって?」


ガラナは異世界のダークエルフの女の人だ。だから知らなくて無理もない。


「クリスマスはキリスト教の宗主イエス・キリストの降誕を祝う日なんだ。そしてその日の夜、聖夜には奇跡が起きると信じられている。」


「そうなの・・・・ならその奇跡を今は、信じたい・・・・。」


「・・・・其にしても端から見たら、一人の褐色の外人の女の子がショーウインドウに向かって、独り言を言ったり叫んだりしてると思われてるんだろうなぁ。」


俺はまたショーウインドウに向かって呟いた。


「フフ、なら二人に成ればっ、なんてそんな都合よくは行かないわね。」


「・・・・さあ夜ももう遅い、そろそろ帰ろうか?皆が待ってる。」


そして帰ろうとした瞬間!


「あれ!?ガラナ?ガラナが目の前に居る!」


「勇太?・・・・勇太なの?」


「うん!ガラナー!」


「勇太ー!」


その瞬間、俺達は抱き締め合った。


「一体どうなってるんだ?」


「ショーウインドウに映る私が突然見知らぬ人間の男の人に変わって、そしたらその人が私に向かって、ガラナと呼んでショーウインドウから飛び出して来て!」


「奇跡は起きたね!ガラナ!」


「ええ!其にしても勇太!貴方イケメンね!安心したわ!其にその服!」


「ああ!此は宇宙軍の軍服だよ。」


「カッコいいわ勇太!」


「ありがとうガラナ!愛してる。」


「私もよ・・・・。」


再び抱き締め合い


そして・・・・



「って何ですか!此は!ガラナさん!」


「ヒドイ妄想ですね。」


と紗理奈と冷静にディスる北条さん。


「モウソウって旨いだにか?」


「我もそのモウソウとやらが欲しいのだ!」


とニーニャとエリちゃんが可笑しな事を口走ってるぞ!


まあ其にしても、何時こんな物書いてたんだ?


まさか!大手小説投稿サイトに投稿する積りだったのかぁ~。


「なんか此処の所、矢鱈とドラマを視てると思ったら!」


と紗理奈。


「感化された訳ね。」


とまた冷静に話す北条さん。


「ヒッドイわねぇ~アンタ達~!隠して置いた物を~!大体、絶対見付からない所に隠して置いたにぃ!」


と赤面しながら抗議するガラナさん。テレビ台の下じゃねぇ~


「此も聖夜の奇跡だな!ガハハハハ!」


とブレスレットのガイバーン。

上手い事言ってるなぁ~。


「詰まんない事で、まとめ様としてるんじゃ無いわよ!デカブツ!」


今日も賑やかだなぁ~。

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