この「物語の主人公」は、この世界がゲームだと知る現代日本人キーラ。
「主人公」に相応しい成長能力や特異なスキル、さらにはゲームの結末まで知っているというチート染みたキーラは、楽しめばいっか、程度の安易な気持ちで強くなっていく……。
けれどこの「小説の主人公」は、キーラが知るゲーム世界で、主人公を邪魔する存在だったはずの脇役お嬢様、セレスティアです。傲慢な性格に育つべきはずが、一冊の絵本を手にしたことで一転、どうやらゲームの想定とは違った方向に――極めて努力家に――成長してしまいます。
なぜかダンベルとともに。
セレスティアは、ただ努力のみで培った強さと、自らの憧れによって、本来あるべきアカシック・レコードを意図せず塗り替えていていくことになります。
七話時点で、そうした背景や登場人物が語られます。
おそらくここから、「ダンジョンに挑む」「本来の【主人公】との邂逅」が描かれていくのでしょう。
キーラの戸惑いや、武力突破していくセレスティアの活躍など、楽しみにするところが多い作品です。