エピローグ ママもたまにはひとやすみ


「あー、良かった。一気読みしちゃった。『ファラオはネコと魔女に着替えてキャンピング』……マジ最高!」


 ママはスマホを抱えてニヤニヤと笑った。

 どうやらママはweb小説を読んでいたようで……。


「おチビたちは……うん、よく寝てる」


 二人はお腹に毛布を巻きつけ、同じポーズをして寝ている。

 ぷっくりとしたほっぺたには、うっすらと涙の跡が残っていた。


「あふ……、なーんか私も眠くなってきちゃったなー」


 ママはスマホをテーブルに置くと、明かりを消して、二人の間にそっと身体をすべりこませる。


「ふふっ。ふわふわほっぺ、すりすりーっ」

 起きていたら自分からくっついてくる子供たちも、寝ているところにされると、むずかるようにいやいやをする。

「ごめんごめん。じゃ、おやすみ……」


 ママは二人を両腕に抱え込むと、そっと目を閉じた。


 暗くなった部屋で、窓辺に飾られた花からこぼれる、光の雫が三人の寝顔を照らしていた。

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今日はママをおいていこう ~ママは今日も忙しい~2~ @Shiorin

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