“厄病神”のあだ名で呼ばれる武闘派ヤンキー(保護観つき)藤宮景は、引っ越してきたばかりの赤無市で迷子になった末、隻眼の少女エノと出逢う。
こちらの作品、まだ始まったばかりで主要キャラふたりも出逢ったばかりなのですが……這い寄る恐怖が売りのクトゥルフものにヤンキー突っ込む発想、すごいですよね!
いや、物語自体は重厚で濃やかな文章によって綴られていて、まさにクトゥルフらしい薄暗さを予感させるものなんです。でも、このありえない要素ひとつが、まったく別のドラマを見せてくれるっていう期待値を高めてくれるんですよ。
メジャーなジャンルでも、着想のひとひねりを効かせられれば「斬新」に昇華します。賞なんかでもこれができている作品は強いですね。
読者さんには今後の展開を期待していただきたいですし、書き手さんにはお手本として参照していただきたい、斬新さを備えた作品です。
(新作紹介 カクヨム金のたまご/文=髙橋 剛)