第57手 ヒーラーはチートの世界

「手順前後してしまったが…主人あるじの弟よ…最後は、お前が詰む番だ。」


 邪龍は、再び巨大な足を大きく上げる。そして、物凄い勢いで踏み潰そうと降ろして来る。


 今度こそ殺される。


 完全に諦めた時だった。


 邪龍の巨大な体が吹き飛んだ…!


「にゃ…!危機一髪の所か…!」


「きなこ五段!ここにいる全員に一斉治療をしてやってくれ!」


 なんと、猫王にゃんおう鶏王けいおうが邪龍を不意打ちで吹き飛ばしたのだ。


 それに、きなこ五段だって…?俺は、痛む体を震えながら起こし、反対側へと頭を動かす。


「流石に危ないところだったみたいだねー。」


 ロ、ロリコン師匠…!


 それに、豊田先生、男の娘棋士のよもぎ五段まで来てくれている!頼もしい援軍だ。


「み、みなさん!すぐ治します…!」


 きなこ五段は、飛車を両手に持ち、空へと掲げる。すると、辺り一面にキラキラとした粒子が舞い始めた。


 聖属性の極意。圧倒的な回復力。


「どうか生きてて…!」


 無数の粒子が、俺を含めて、怪我人を包み込む。猫王にゃんおう戦でも味わったが、聖属性の回復効果は凄まじい。痛みがどんどん引いていく。


 香の傷口も塞がり始めている。はみ出した内臓が綺麗に腹部へ押し込まれて行く。


 ランの右腕も凄いスピードで生えている。


「はぁ…はぁ…なんとか…み、みんな生きていますね…。」


 ————————————


 キャラ紹介12


 羽野はの 底歩そこふ


 17歳


 闇属性


 レーティング:19700

(棋力12300、オーラ力7200)


 垂歩の兄。17歳であるのに厨二病をこじらせている。確かに、龍を召喚できる力があれば厨二病に染まり続けるのもおかしくないかもしれない。

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