第54手 宇宙人の次はドラゴンの世界
何なんだよ、将棋星人って…。そんなの本当にいるのかよ!?今の将棋の技術は、人類の手による物ではないと言うのか…!?
「しかし、驚く必要などない。将棋星人が来る前に、お前らの命は尽きる。しっかりと絶望を味わえ…!」
バカ兄貴は、突然一枚の飛車を上空へと投げ飛ばした。
何が起きるんだ…!?
闇の空へと向かって行った飛車は、数十メートル飛んだ所で停滞し、不気味な赤黒いオーラを纏い始めた。空一帯に広がる巨大な闇のオーラが、飛車へと集まっている。
「さあ、準備は整った…。」
なんと飛車が…!
徐々に天を翔ける龍の形へと変化して行った!
飛車で、こんなことが成せるのか…。数十メートルはあろうかと言う、巨大な龍のシルエットが空に浮かぶ。
「なんだよ…これは…。」
俺は思わず驚きを声にしてしまった。
その龍は、さらに時間をかけて段々と小さくなり、遂には人型へと姿を変えた。
そして、それが静かに…俺らが立っているタワーの頂上へと降り立った。とんでもないオーラだ。更に緊張が走る。
全身は黒い歩の鱗に覆われ、右眼が金色、左眼が銀色の瞳をしている。長いヒゲが二本。頭部には尖った斬でできた角がある。更には、長い尻尾までが生えている。
「さあ…邪龍よ。アイツらを殺せ。」
「わかった…。すぐに殺そう。」
コイツも喋った…!
「死ぬがいいプロ棋士達よ…。」
邪龍は、地面を蹴り、真っ直ぐコチラへ突っ込んで来た。
「
最初の標的は、一番先頭にいた香だった。邪龍は、とんでもないスピードで香の目の前にまでやって来た。
「よく分からねぇけどよ!カウンター、ぶちかましてやる…!」
水属性で全身を覆った上で、飛車を構える。攻防一体の水属性…!
しかし…
「そんなガード…我の爪の前では無に等しい。」
邪龍は、水のガードを突き破り、香の右脇腹を深く抉った。香は何が起こったのか分からないような唖然とした表情をしている。
「がっ…!」
それが段々と苦痛に歪んで来る香の表情。
「か…香…!」
香は、反射的に傷口を押さえるが、そこからは夥しい血液と、生々しいピンク色をした腸までもが溢れ落ちて来た。
「先ずは一人…。」
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キャラ紹介⑨
15歳
聖属性
レーティング:12200
(棋力8200、オーラ力4000)
RPGでは必須のヒーラー役。将棋では役に立たない能力かと思いきや、何故か、かなり重宝されている。
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