第53手 ついに宇宙規模になる世界

「ところでお前らは、本当に今の将棋がと思っているのか?」


 どういうことだ…?言っている意味が益々理解できない。人間の手で生まれたのではないのなら…一体、何だって言うんだ。


「いくらAIが発達した世界だろうが、人類の力だけでは、属性を目に見える型で具現化するのは不可能だ。」


「は…?現に俺らプロ棋士は…属性を操っているだろうが!?」


「そうですわよ。属性を駒に纏わす技術は…わたくしの師匠だった男、万田まんだが生み出したのです。」


 その通りだ。日本将棋連盟の研究部らは、長年の研究の末、属性を扱う現代の将棋を生み出したのだ。それは否定できない歴史上の事実。


「いや、違う…。将棋界に革命が起こった数年前…将棋連盟の幹部達は、との接触に成功したのだ…。最新の将棋技術は、彼らの力があってからこそ成された物だ。」


「なんだよ…?ある者達って…!」


 バカ兄貴は、闇渦巻く空を静かに見上げ、一呼吸置いた。そして、衝撃的なワードを放ちやがった。


…。俺らは、地球外からやって来た其奴らをそう呼んでいる。」


 将棋星人だと…?数年前に火星において、生きたタコは発見された。しかし、宇宙人となれば未だにSFレベルの話だぞ…!


「おい、たれぞーのバカ兄貴!いくらなんでも…そんな話、ありえるかっ!?」


 かおりの言う通りだ。そんな無茶苦茶な話を信用できるわけがない…!


「数日後…将棋星人の一人が地球へとやって来る。そして、現代将棋の技術を彼らへと返還する!その瞬間、将棋界は完全に終わりだ。」


——————————————


 キャラ紹介⑧


 谷田たにだ よもぎ五段


 15歳


 土属性


 レーティング:12300

(棋力9000、オーラ力3300)


 男の娘棋士。あまりの可愛さから、犯罪の臭いがする怪しいファンが付き纏う。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る