第50手 うんこをせねば戦はできぬ世界

 東京スカイツリーver.3の一階へと俺らは突入した。一階部は、通常、多くの店舗が入っている大型ショッピングセンターなのだが、流石にこの状況では、一人も人間の姿は無い。


 不気味な静けさだ。


 この中を通って、上層部へと運んでくれるエレベーターへと向かわなければならない。


 しかし、ここで、俺はあることに気がついた。


「おい、かおり!今エレベーター動いてるのか!?停電してるんだから止まっているだろ!?」


 そう…今、東京の街全体は停電しているのだ。流石に3333メートルのタワーを階段で登るのは体力的に不可能だ。


「あ?気合いで駆け上るしかねぇだろ!?ビビってんのか!?」


「いや、ビビって無いけどよ…途中でくたばってしまうだろ!」


「お前の体力はゴミかよ!!」


 香が立ち止まって、俺の胸倉を掴んで来た。そんな中…。


「夫婦喧嘩中にお邪魔しますわ…。」


「「うおっ!?」」


 突然の聞き覚えのある声に俺らは、激しく驚いた。


「ほ…ほし六段…!」


 何故ここに…!?前も急に登場したぞ…。


毒島ぶすじま九段に、ここまでブラックホールで送ってもらいましたの。恐らく上へ登る手段がないだろうとのことで。」


「は?当の師匠は来ないのかよ?あたしらだけか!?」


「いえ…あまり下品な言葉を使いたくはないのですが、彼は…うんこと格闘している最中ですの。あとで、他のメンバーも連れてタワーまで来るそうですわ。」


 師匠は、こんな大事な時にうんこしているのか…!


「それでは…あなた方をわたくしの能力で空を飛べるように致しますわ。2階のデッキまで行きましょう。」


 星六段、中々の能力を持っているじゃないか。


 ーーーーーーー

 キャラ紹介⑤


 ほし キラリ六段


 17歳


 風属性


 レーティング:12500

(棋力9000、オーラ力3500)


 お嬢様口調で、いつもセーラー服を着ている。彼女は、序盤、中盤、終盤隙の無い将棋を常に心がけており、頭部には、本人以外誰も知らない秘密が隠されている。

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