第十二回 東晋は江東に天位を継ぐ
翌日、
官人たちによって輦が牽かれ、建康の城門を出て天地川山の神を祀るべく郊外に向かった。祭祀が終わると、瑯琊王は
礼官を務める
晋は
それにも関わらず、漢賊は天下を乱して二帝を
幸い民心は晋室を思うも、今や
臣は才に乏しく徳に欠ける身でありますが、
臣の思うに、愚才は大位にあたってはならず、神器に
全土の望みは臣一人の身にあり、それゆえに天命を違えられず、人心に応じざるを得ず、今年今月今日まさに今、壇に登って再拝し、皇帝の
神々は晋の供物を受けられ、永く天佑を降して四海を安んじられますように。
▼「玄牝」は『
読み終わると冊書を焼いて再拝する。
衆人は瑯琊王を輦に扶け上げると建康の城内に引き返し、帝座に上げて璽綬を献上する。瑯琊王は譲ること三度の末、帝座に就いて百官が拝礼し、即位の礼を終えた。
※
晋帝となった司馬睿は、王導の勲功を思って帝座の隣に座を設け、そこに座らせようとした。
「太陽に並ぶものがあってはなりません。士民はどちらを主と仰げばよいか、分からなくなりましょう。世にこのような理はございません」
王導はそう言って諌め、晋帝は座を徹するよう命じた。
※
即位に伴って詔が下され、天下に大赦を行って
西陽王の司馬承を
その他にも、
江東は
※
この時、晋帝の詔は
「晋の天運は衰えたものの、いまだ天命は
温嶠は
建康に到着すると、王導、周顗、
※
詔は
「吾は
それを聞くと、
「覇王の業は義によって成るものです。晋室は衰えたとはいえ、人心はいまだ離れておりません。江東に人を遣って慶賀しておけばよいでしょう。その後に大義によって諸部を討てば、ちょうど
慕容廆はその言に従い、人を建康に遣わして慶賀し、晋帝はその賢を
その行いは近隣の諸部に知れ渡り、多くが慕容廆に服した。これが慕容部が燕国を開く
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