夏休み。補習を受けるべく登校するよう言い渡されていた主人公・柳澤陽介は、当日に寝坊してしまい、一時間に一本しかない電車を逃してしまう。
落胆して思わず独り言をこぼす陽介だったが、独り言であったはずの言葉に返事があった。日陰のベンチに一人、見たこともない美少女が腰かけていたのだ。
……というわけで、ボーイ・ミーツ・ガールから始まる青春ストーリーです。
いいヤツだけど鈍感な主人公、秘密を抱えたヒロイン、主人公の妹、主人公に恋する妹の友人、男まさりな幼馴染と、王道の布陣といった趣のキャラクターたちはいずれも活き活きとして魅力的。
友情に恋愛にと、年頃の少年少女らしい物語が繰り広げられます。
そして中盤。ある出来事を境に、本作はその表情を一変させるのです。
ひとつの作品が鮮やかに「変身」する様は必読です。
※本レビューは「小説家になろう」様にも掲載されています。