とても応援したくなる種族差カップルです

年の差、身分差といった「差」に目がないもので、こちらの種族を飛び越えたお話も楽しく読ませていただきました。
当事者ふたり(夫婦)の心理描写や行動、発言の描写もさることながら、彼らを取り巻く環境や人物(人じゃねえ!笑)も魅力的でビジュアルを想像しながら読み進めるのがとても楽しかったです。(私の想像力が乏しく、おおかたがエジプトの壁画のようなイメージばかりでしたが;)人間以外の種族が当たり前に闊歩する世界を想像してはほくそ笑んでおりました。
また、人間よりも理知的で情に厚い魔族たちの姿を見ながら、ほっこりしつつも、ああ、人間は弱いからこそ恐怖のあまり、相手からの攻撃を恐れて過剰に攻撃してしまうのだろうな、と寛容であることの強さについても考えさせられる部分もありました。強いから寛容でいられるのか、寛容だからこそ強いのか、という点については、魔王と王妃、周囲に居る者たちがひとつの答えを投げかけてくれたように感じます。
アンナが姫として妃として気丈に振る舞っている所などもとても健気で惹かれます。
なお、作中でセックスセックス言うてはりますけど、こちら、相当な純愛でございます。いわゆる両片思いのすれ違いに見守る側としてやきもきしつつも、滑稽な思い違いに笑わせてももらいました。そして純粋で初々しい想い合いに、私も遠い昔に忘れた何かを取り戻せたような気がしました(気のせい)。
幸せな未来が確定しているであろう二人ですが、未来にもふりそそぐほどいっぱいの幸あれ、でございます。

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