第3話3限その3

 私には好きな人がいる。もう恋なんてしないと誓っていたのに。必要のないものだとわかっていたはずなのに。しかし、私の心がそれを許さない。自分で自分を制御ができない。私の目が、脳が、身体が彼を求める。いつからだろうか。入学した日だろうか。わからない。自分でも思う。意思が弱いと。自分に呆れる。しかし、私は好きになってしまった。彼が好きになってしまった。もっと触れたい。もっと話したい。もっともっともっと。ああ、どうしようもなく好きなんだと思う。彼はいつも授業を聴いていない。いつも必死にスマホで何かをしている。ゲームなのか、はたまた何かメモしているのだろうか。わからない。知りたいと思った。彼が必死になって、夢中になっているものを。今日も私は彼を見つめ続ける。

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どこにでもある、誰にでもある一日 @tatamtam

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