帝国海軍を食事を通じて切り取った、着眼力が光る一作

帝国海軍における糧食のちょろまかし、即ちギンバイという言葉は有名であるが、多くの場合においてそれは話の添え物になる程度に過ぎず、豆知識の粋を出ないことが大半である。しかし本作はそのギンバイに焦点を当て、大飯食らいの女性下士官(架空世界の話であるから女の将兵もいるのだ)を主人公として、ひたすら飯の話にこだわった作品作りをしてみせたところが大変に面白い。星の数ほどある第二次大戦物にもまだまだ新しい切り口が有り得ることを見せてくれた良作である。

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