陸攻乙女のギンバイ戦記

作者 矢舷陸宏

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★★★ Excellent!!!

 とある企画でこの作品に出会ったのですが、テーマは戦時、しかも軍人さんのお話。
 その辺りについて私は明るくなく、学校の歴史で習った知識しか持ち合わせておりません。

 それでも、各キャラの逞しさやコミカルさ、戦闘というものが一切の妥協無く細かく描写されていて、引き込まれました。
 
 その中でもスキヤキ回が好きでした。
 食料の無い中、スキヤキを作ろうと工夫する主人公たちですが、それで具材になったものが「あぁ、そういうのが食料になるのかぁ。」と戦時特有の食料難からくる文字通りの苦肉の策がとても好きです。

 是非ともオススメしたい作品です。

★★★ Excellent!!!

 糖子ちゃん、腹が減っては戦ができぬというより、腹を満たすために戦をしているー!
 ギンバイ=盗み食いを通じて兵士たちの日常を描いた、軍隊を扱う作品としては珍しい作品であり、それゆえに唯一無二の面白さがあります。ギンバイのためにあらゆる手段を用いる主人公糖子の奮闘っぷりは言うまでもなく、国のために死ぬと主張する上官華香と、それでも生きると主張する糖子のやりとりの人間くささ。軍隊は近寄りがたい戦士たちの集団ではなく、血も涙もある人間の集まりだとしんみり感じさせてくれる物語でした
 もちろん戦争モノなので戦闘シーンもありますが、難解な専門用語は少なく、軍隊や戦争に関する知識が無くても気楽に読めます。
 ただの空戦には飽きたという上級者から、軍隊に対して苦手意識のある初心者まで楽しめる物語なので、気に入った方は物語の続きhttps://kakuyomu.jp/works/1177354054889317552も読むことをお勧めします!

★★★ Excellent!!!

帝国海軍における糧食のちょろまかし、即ちギンバイという言葉は有名であるが、多くの場合においてそれは話の添え物になる程度に過ぎず、豆知識の粋を出ないことが大半である。しかし本作はそのギンバイに焦点を当て、大飯食らいの女性下士官(架空世界の話であるから女の将兵もいるのだ)を主人公として、ひたすら飯の話にこだわった作品作りをしてみせたところが大変に面白い。星の数ほどある第二次大戦物にもまだまだ新しい切り口が有り得ることを見せてくれた良作である。