最近の部活の活動は活発すぎる


我ら三場高等学園高校の制服は茶色いブレザーに紺色のズボン。そして青色のネクタイがある。

ちなみに俺はこの制服を気に入っていない。ダサいから。


「こんなところで語ってどうすんだ。見てくれる読者もいないだろ」という声が聞こえた気がするがそんなもの聞こえてない聞こえてない。


三場高等学園高校は文武両道を目指す学校であり、部活動にも力を入れている。


テニス部は関東大会優勝。

野球部は都大会準優勝。

バトミントン部は全国大会予選通過。

陸上部はインターハイ出場。

そして一番の目玉であるバレーボール部は全国大会三回連続優勝という超強豪だ。


なぜこんなことを語ったかというと、実は紅さんがバレーボール部の期待の一年生だからだ。


ネットを軽々と飛び越え上から天空の支配者のごとく打ち込む姿はいつどこから見ても素晴らしいと言える。………胸の話じゃないよ?いや、確かに胸も素晴らしいよ?でも別に俺はそこを見ていたわけじゃなくて、バレーボールの観点からーーーと言い訳を述べるとさらに疑いが深まる気がするのでやめておく。


「ナイッスォー!!」


何をいってるかよくわからない叫びをする部員達。


「でさでさ〜」


部活に集中しないいつもサボってばかりの男達。


「チッ!」


ある一人の女子生徒を睨む女達。


個性様々な生徒がいるがそれでもまとまって行動しているのは日本人だからなのか。



沈没船ジョークというもので各国の国民性をあらわにしたものがある。


世界各国の国民を乗せた豪華船が沈没しそうだった。しかし、乗客の数に対し脱出ボードの数が足らない。そこで船長は乗客を海に飛び込ませようとした。船長が乗客に言った言葉がこちらである。


アメリカ人に対して「飛び込めばヒーローになりますよ」と。


ロシア人に対して「海にウォッカの瓶が流れていますよ」と。


イタリア人に対して「海で美女が泳いでいますよ」と。


フランス人に対して「決して海に飛び込まないでください」と。


イギリス人に対して「紳士はこういう時に海に飛び込むものですよ」と。


ドイツ人に対して「規則ですので飛び込んでください」と。


中国人に対して「美味しい魚が泳いでいますよ」と。


日本人に対して「皆さんはもう飛び込みましたよ」と。


韓国人に対して「日本人は飛び込みましたよ」と。


北朝鮮人に対して「今が亡命のチャンスですよ」と。


関西人に対して「阪神が優勝しましたよ」と。



最後の関西人に関しては後付けではあるが、この話で各国の国民性が分かったと思う。


日本人は周りに合わせる風潮がある。

一人の人間がなにかいえばそれに便乗するし、上司に対してはなにも言わない。上司が絶対のようだ。


これは学校にも言えることで委員長が一度決めたことを誰かが別の方向に持っていくことはない。その理由がめんどくさいだったり、自分の意見を否定されるのが怖いだったりと様々だ。


クラスには派閥が存在している。

チャラ男、ギャルが集まるグループ。

日の当たる陽キャが集まるグループ。

みんな隠れて一緒になる隠キャが集まるグループ。

そのグループにそれぞれリーダーがいて、そいつらがグループに指示している。配下はその指示を淡々とこなしていく。


まぁなにが言いたいかというと、リーダーにはみんな逆らわないということだ。

そいつが「是」と言ったら他が「否」でも是に変わってしまうのだ。



もしリーダーが「いじめろ」と言ったら配下はその標的を執拗にいじめ始めるのだ。




新館四階の読書感想部に俺は入る。

昨日と同じく大量の本と上にある蛍光灯のみが光を表す教室だった。

当たり前だが、コーヒーを飲んでいる平等院が座っていて、こちらをひと睨みしてから缶コーヒーを置いた。


俺は黙って椅子に座る。


しばらくの間、沈黙が続く。


「………なぁ、読書感想文を書く紙はどこにあるんだ?」


その沈黙を破ったのは俺だった。


平等院は無言で指をさした。

そこは本棚がない黒板の端っこにある机の上に置かれた箱だった。


俺がその箱の蓋を取ると、そこにはきちんと読書感想文の紙が入っていた。


平等院のことだから嘘をつくと思ったんだけどな。


俺は紙を一枚取り、机に戻る。その時に平等院が嫌な顔をしたのは見間違いではない。


紙に"題名"と"あらすじ"と"感想"があり、その下に発表するときの文を書く場所があった。


俺が紹介する本はライトノベルの"祖国を追い出された剣聖見習い〜強欲の悪魔の力を借りて最強へ〜"だ。

あらすじとしては強さが全ての国の公爵家に生まれた主人公イーランは剣聖を目指すが強くなれなかったイーランに愛想尽きた家族、国、婚約者から見放され国を追放された。イーランが意気消沈の中出会った強欲の悪魔の力を借りてめっさ強くなる。そしてイーランは追放した祖国に復讐する、という物語だ。ちなみに婚約者は絶世の美女だったが、イーランの兄に寝取られた。ていうよりは婚約者もクズ(作品の中では)で、イーランを見放して兄に近寄ったって感じだ。


俺の意見から言わせてもらうとこれは主人公が悪いと思う。

強さが全てで強くなかったら見放されるのに、強くなれなかった主人公が悪い。なにかしらの理由がなければだけど。

強いものが上に立って弱いものは殺される、又は追放されるというルール、法律のようなものがある。それに従って追放したわけだから国、家族、婚約者はなにも悪くない。


極端な例だがサッカーで開始五分で相手の選手を蹴ってレッドカード退場させられたらそれにキレてテロ起こすみたいな感じだ。違うかな。違うかも。


俺はサラサラと空欄を埋めていく。全ての空欄が埋まって俺は一安心。取り敢えず発表はこれでいくことにする。





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最近のライトノベルのタイトルは長すぎる 今際健 @imawatakeru

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