禁忌を犯し、国から追放されてしまった凄腕陰陽師の主人公ハルトはやがて知られていなかった大陸へと辿り着く。
そこは異世界ファンタジーのような様相で、どうにか魔術師として生活の場を築こうとするハルトだったが……。
現地のエルフや聖女たちとも親交を持ち、魔を祓うという使命感に動かされ、やがて国を脅かす大きな魔の動きと対峙することとなっていく。
その動向には大陸を知らなかったはずのかつての相棒、十郎の姿があった。
陰陽師が異文化のファンタジー世界に辿り着く魔術バトルなお話です。
静かに暮らしたいと言いながらも術の探求心と、魔を祓おうという使命感で脳筋のごとく戦いに出るハルトはチート級のウデマエ!
相棒となる色ボケ大賢者エルフといい、シリアスかと思いきや軽快に読める作品です。
共に戦う親友を失ってまで魔王ノブ・ナガを倒した陰陽師のハルトだが、禁忌を犯した罪で祖国を追われ流罪となってしまう。
たどりついたのは、その存在すら知らなかった大陸。
そこはハルトの祖国とはあまりにかけ離れた世界だったが、彼は陰陽術を駆使して少年を助けたことがきっかけで、この国の魔物を討伐することになる。
エルフのリリアナ、リザードマンのジークフリード、聖女シャルロットという戦友を得て強敵の真祖に勝利するも、死んだはずの十郎がハルトの前に現れ、さらには同業者らしき謎の人物が登場し、魔王ノブ・ナガの影がひたひたとハルトに忍び寄る────
最新話(第四十六話)までのあらすじはざっくりとこんな感じですが、あらすじから受ける印象ほど重たく暗い話ではありません。
常に冷静沈着で少々理屈っぽいハルトですが、友人となった少年リュートには餌付けされた犬のようにフリフリと尻尾を振っているのが目に見える一方で、いわゆる「エロフ」のリリアナの色仕掛け(?)には完全スルーを決め込むギャップにクスリとさせられます。
森の大賢者として人々の尊敬の対象であるはずのリリアナのダメエロフっぷりも可愛らしいし、大変読みやすい文体なのでシリアスになりすぎずに楽しめます。
リリアナの魔術とハルトの陰陽術の掛け合わせで強敵とどこまで渡り合えるのか。
親友の十郎を救い出すことはできるのか。
謎の陰陽師の正体は。
そして、魔王ノブ・ナガとの因縁の対決の行方は。
これからますます熱くなる陰陽師バトル@異世界を追いかけるなら、今が絶好のチャンスです!