ストーリーはいたってシンプルに見えて、かなりエッジの効いた内容でした。
差別自体が問題なのでなく、なぜ世間的に社会的にそれが是正されているのかが問題であるのです。大抵の人間には固有の才能は備わっていません。いわゆる「凡人」が何らかの行動に駆り立てられるのはいつだって、己の器以上に膨れ上がった我欲でありそれが大なり小なり周囲に影響を与えることとなるのです。だからこそ、この物語の主人公も最後はああするに至ったのだと分析して思いました。彼に必要だったのは才能でも何でもなく、ひとえに一般的な想像力及び普遍的な客観視する力ではないのでしょうか?
長々と書かせていただきまして、恐れ入ります。とても考えさせられて面白かったです。