第5話 とある大学教授のエルフ史概論 2

 はいどうもー、みなさんこんにちは。エルフ史概論第二回始めますよー。


 ……なんで受講者数増えてるんですかねぇ。立ち見が出る概論講義って私、初めて見るんですけど?

 まあいいですけど……一応立体プロジェクターも持ち込んで正解だったなこれ……。やれやれだぜ……。


 んん゛っ、まあ、こうなってしまったものはなってしまったので、仕方ないでしょう。改めて、講義を始めますね。


 よっと……はい、レジュメを端末に出しました。そちらを参照しつつ聞いてくださいね。前回同様、再配布はありませんので保存したい場合は忘れずに。

 立ち見の方はこちらの立体プロジェクターをご覧ください。同様の内容をこっちにも出して行きますんでね。データの保存は……友人からもらってください。


 では本題に入りましょう。前回言っておいた通り、今回は古代前期です。


 と、その前に……早速の質問をいただいたので、歴史区分について軽く説明しておきましょう。ビッグデータを見る限り地上出身の受講者がかなり多いようなので、確かにこの解説はしておいたほうがいいと思いまして。


 レジュメにある通り、この世界の歴史をエルフ史観に立って見たとき、文明開闢以降の歴史を順番に神話、古代、古典、暗黒、黎明、中世、近世、近代、現代という九つの時代に分けるのが現在の通説です。時代がこれから進むとまた増えるでしょうが、少なくとも今はこの九つです。


 そしてこの区分のうち、古代と暗黒はさらに細かく区分されています。古代が前期、中期、後期。暗黒が前期、中期、後期、そして晩期です。

 なぜこの時代が細かく分けられているかといえば、比較的変化が乏しいために別の時代区分にするには共通点が多すぎ、かといって同じ時代区分にするには相応に違いもあるためですね。他にも理由はなくはないですが、大きな理由はそれです。


 ちなみに、始祖たる「預言者ギーロ」の出現以前はひっくるめて先史時代ですが、中でも種族としてのフィエンやエルフが発生してから文明ができるまでの時代を原始時代と定義しています。テストには出しませんけどね。


 あ、それぞれの時代がどういう時代で、歴史上どういう意義があったのかは、それぞれの回でやります。古代と暗黒は、最後の期で取りまとめるということで。


 とまあそんなわけで今日から始まる古代ですが、全般通して見ると、変化はさほど大きくありません。特に前期。

 歴史的なイベントが少ない分、そうなるのは仕方ないんですが。この時代を好む歴史マニアが少ないゆえんは、そういうところにあるのかもしれません。


 そんな古代ですが……開始時期がいつかは諸説あります。今回は主流となる学説を紹介しましょう。


 それは「預言を継ぐ者ソラル」の失踪時点とする説です。年数で言うと、紀元前6万8200年±100年の範囲と言われていますね。

 より細かく元号で言うなら、逝去43年ですが……これが具体的に今から何年前のことなのかはわかっていませんのでそういう言い方になります。


 というのも……後述しますが、これ以降エルフの文明をしばらく発展しません。というか、ものによっては衰退すらします。それに応じるような形で元号という文化が断絶するため、具体的な年数の照合ができないんですよね。

 残念ですが、こればかりは仕方ありません。それもまた歴史です。我々人類は、必ずしも常に進歩しているわけではないのです。


 っと、話を戻しましょう。


 この説を推す派閥は、ソラルが消えたことによる文化的、文明的な影響が極めて多大だというのを主な理由として挙げています。彼女が消えたことで、始祖たるギーロの影響もかなり激しく断絶するので、一定の説得力がありますね。


 他にも説は様々あります。最初の失せ月を開始とする説、ダンスガード・オシュガーサイクルの一度目の温度上昇を開始とする説などなど。

 しかしいずれの説も、「預言者ギーロ」と「預言を継ぐ者ソラル」の影響が断絶し、エルフが長い低迷期に入ったタイミングを開始時点とみなしていることには変わりありません。

 また、いずれの説であっても開始時期の差は最大で数百年程度しかないので、概論講義をする上での影響はさほどありません。

 この議論は起点をどこに置くかが焦点で、私自身も私なりの考えは持っていますが、今回はひとまず主流派説を用いますね。


 さて次のページ。そうして始まった古代は、紀元前4万5000年頃までのおよそ2万3000年間続きます。


 そう、古代は歴史の中でもとりわけ期間の長い時代区分です。最初に触れた通り、その長さの割に歴史的なイベントは少ないんですけどねー。そこはまあ、変化と発展が少ない時代なのでしょうがないです。仕方ないね。

 ただし、語るポイント……いくつか重要な、外せないこともあります。その多くはこの世界が初めて経験する出来事なので、歴史的な意義が大きい時代とも言えると私なんかは思ってるんですけどね。


 ではそんな古代の、前期はいつからいつまでか。これは主流派説に従うと、紀元前6万8200年頃から紀元前6万年頃までの、およそ8200年間となります。

 最近の時代だと一区分数百年だったりするんで、長く感じますが……ええまあ、長いですね。これより長い時期もあるのがまたなんともはやですけど。


 さてこの約8200年の間にどういうことがあった、あるいはあったとされているかを説明して行きましょう。レジュメを次に進めてください。


 古代前期最大の変化、および歴史的な意義は何かと問えば、恐らくほぼすべての歴史学者が同じことを挙げるでしょう。私も先に触れました。主流派説が時代の起点とする、「預言を継ぐ者ソラル」の失踪です。


 この大事件は、歴史的には「ヒノカミ・ソラルの消失」と呼ばれますが、たぶん大体の人には「空の失陥」や「永き曇天」などの文学的、音楽的な名前のほうが馴染みがあるかな?

 特に交響曲「永き曇天」……同名のオペラのラストシーンを飾るこの曲は、近代屈指の名曲として名高いですね。初心者向けの楽譜本には楽器を問わず大体載っていますし、形態を問わなければ演奏したことがあるという方も多いのではないかなーと。


 さてそんな「ヒノカミ・ソラルの消失」。これが歴史をどう動かしたのか? ですが……。

 一言で言ってしまうと、ずばり文明の停滞と衰退です。これも先に少し触れましたね。


 これを本格的に説明するために、少し神話時代に話を戻します。


 神話時代のエルフ……あるいは彼らと共存していたフィエンやプラエドワーフたちは、ある種の強力な独裁制によって生活を成り立たせていました。

 彼らの生活は合議によって意思決定がされていたのですが、こと文明の発達においてはすべてたった一人の手で支えられていたのです。そう、「預言者ギーロ」ですね。

 彼が現れたことで、この世界の歴史は急激に動き出しました。この時代に様々な分野に渡って唐突に文明が発展したのはなぜか、という質問をいただいていますが、まさに彼があの時代に現れたから、としか言いようがありません。


 ではなぜ彼があの時代、突如としてそのような力を得て現れたかですが……これについては、我々大エルフ学芸国がまだロウの時空派だったころからの長年の観測により、「ギーロは未来世界から原始時代にタイムスリップした時間遡行者である」という説が現状最も説得力がある、として天上世界では認知されています。これについては暗黒時代の後期~晩期で詳しく話しますので、一旦保留しますね。


 で、……えーっと、その説が一般化する以前は、「神々よりあらゆる知恵、知識を預けられた」という伝説が広く信じられていました。まあ、たった118年で劇的に文明を向上させたうえで、その理由が説明できないのだからそうもなりましょう。


 ですがこの結果、エルフたちはギーロに強烈な依存をしてしまうのです。そういう意味で、「ある種の強力な独裁制」と表現しました。

 これは、彼の跡を継いだソラルの時代になっても変わりませんでした。いえ、むしろギーロやソラルの初期を知る人間がみな死んでしまっていたため、かつてより悪化したと言えるでしょう。彼らの言うことはすべて正しい、彼らに従っていれば大丈夫……そんな空気があったようだと言われています。


 それを裏付ける一次史料は残念ながらありませんが、後世の記述では大体このように言われているので、実際そうだったのだろうというのが定説です。

 そもそもエルフはその長い歴史を通してみても、挑戦や創造、変化を極端に嫌う性質があります。もちろんそうでない人はいますし、他の人種であってもそういう人はいますが、エルフは特にそうした傾向が顕著なので……まあ、依存もある意味では当然の結果だったのかなと思わなくもありません。


 そんな状況であっても、ソラルはエルフ史に大きな足跡を残しています。一部の少数派宗教では、彼女を魔術の女神として主神に準じる立ち位置に据えていますが、それも彼女が魔術史に多大な貢献を成したからですね。


 逆に、ギーロは多くの科学技術と道具、知識をもたらし文明の基礎を築いた一方で、魔術の発展にはほとんど寄与していません。いただいた質問の中にこれについてなぜかというものがありましたのでついでに答えておきますと、正確なところは不明、です。

 一応「彼が神から預かった知識に魔術が含まれていなかった」、「知識は預かったが、あえて自分では形にしなかった」、「魔術書を遺すだけの余裕がなかった」、「当時のエルフは魔術が使えなかった」など、様々な説がありますが……定説と言えるほど固まってはいません。

 私自身の考えを述べさせていただくなら、これらの説の複数が理由ではないかと思っていますが……まあ、これについてはいまだわからぬ歴史の謎の一つ、ですね。


 ともあれ、そんな中で魔術に関する書物を多く遺し、様々な魔術を開発したソラルは、確かに神として祭られるだけの偉業をなしたと言っていいでしょう。

 彼女がどれほど非凡な魔術師であったかは、遺された数少ない文献を見ればわかります。


 神話時代の伝説として、ミスリルやヒヒイロカネ、アダマンチウムの名前が古代から既に出てくるのです。飛法船ひほうせんの要、ソラリウムと飛空石すら登場しています。

 そこでは彼女がすべてを作り上げたと謳われていますが……ま、実際にあったかどうかはさておき、伝説的な英雄にして魔術師であるソラルは、それに近しいことができた、あるいは構想していたのだろう、というのが定説なわけです。


 つまるところ、今使われている技術の多くは既に、神話時代に彼女が作っていたと古代の時点で言われているのですから……まあ、そりゃあ神様扱いもされて当然と言えましょう。

 神話時代の初期には「偉大なる守護者バンパ」や「神に愛された子メメコ」、「神の手を持つ男アダム」など、綺羅星のごとき英雄たちが登場しますが、神話時代末期の人々にとってはソラル一人こそが要であり、精神的主柱であったと言ってなんら差し支えないと思います。


(ダ・ヴィンチじゃあるまいし、ソラルのやつマジで何してたんだよ)


 ごほん。


 ですがそんな彼女が、ある日突然失踪します。影響が出ないわけがないですね。そりゃあ、時代区分も変わろうというものです。

 理由は一応、「自分で考えることをしない民に嫌気がさした」というのが一般的に言われています。裏付けるものが何もないので説得力に欠ける言説ですが、確かに動機にはなり得るでしょう。感謝もなくただ期待だけ向けられるのはしんどいですもんね。


 まあ、先だっての私の発掘調査で、実はそうではないらしいという史料が出てきたのですが……ああ、お静かに。それはまた情報がまとまったら、しかるべきところで正式に発表しますからね。


 そういうわけで、理由はともかくソラルは失踪します。結果として、エルフの文明は発展から遠ざかるわけです。それが、古代前期という時代を形成していく、と。


 ではレジュメを次に進めますよ。


 そんなわけで古代前期は始まるわけですが……かと言って、ソラルの消失が即座に衰退を招いたわけではありません。いくら依存を深めていたとはいえ、巨大隕石が落ちるくらいの天変地異でもなければ即衰退なんてそうそうしませんしね。

 実際、数少ない当時の記録からは、どうもソラルの消失からおよそ100年ほどは、可もなく不可もなく……発展も衰退もないまま生活が成り立っていたようだ、ということがうかがい知れます。ギーロやソラルの遺産をそのまま使っていた時代、ってところですかね。


 今回の私の発掘事業で、どうやらソラルの姉……「皇祖チハル」はギーロが言い残した「来るべき氷河期」に備えるために、あれこれと悪戦苦闘していたらしいことがわかりましたので、当時の人々も決して現状にあぐらをかいていたわけではないのでしょうが……。


(まあなあ、チハルは元々難しいことを考えるのは苦手だったからなぁ。あいつは人の上に立つよりは、誰かの右腕になって最も輝くタイプだ)


 ごほんごほん。


 えー、えっと、うん、そうそう。しかしその100年ほどの間に、地球の気候は一気に寒冷化しました。氷河期……最終氷期と呼ばれる時期の到来です。

 兆候は既にギーロの時代からあったようですが、本格的に始まったのは古代前期に入ってからのようですね。


 この結果、まず農耕に深刻な影響が出ます。小麦のような主要穀物はもちろん、チョコレートなどの果実も軒並み被害が出たことでしょう。

 狩猟などでも、獲物となる生き物の分布に影響が出たと思われます。あるいは変化についていけず、絶滅したものもいたかもしれません。


 それらが総合してどれくらいの被害だったかは、これに関する当時の記録が残っていないのではっきりとはわかりませんが、後世の様々な史料や伝説などから推測するに、最低でも人口増加に歯止めがかかるくらいには影響が出たようです。


 そして伝説によると、この頃ルィルバンプに灯されていた聖なる火が鎮火したと言います。現代では聖なる火の正体が、自然湧出した原油によるものということがほぼ特定されているので、この事件は恐らく、その原油が枯渇したことが原因でしょうね。


 今でもエルフにとって火は神聖なものなので、それが消えたという精神的な動揺は相当なものがあったでしょうね。大事件の前触れと思った人もいたかもしれません。

 実際にこのとき、かつてない異常事態が起きています。だからこそ、でしょうか。これに前後する形で、エルフたちはルィルバンプを遺棄したようなのです。


 ではその異常事態とは何か、ですが……はい、次のページへ移って……そう、これこそが失せ月です。


 失せ月とは、およそ一ヶ月の間、ほとんどすべての魔術が使えなくなる期間のことです。以降も周期的に発生し、たびたび歴史のターニングポイントを作るのですが……これが聖なる火の鎮火と同時に起こったために、エルフたちは始まりの聖地であるルィルバンプを遺棄する必要に迫られたのですね。


 これが温暖な時期だったら、そのままでも生活を続けられたのでしょうが……寒冷な時期であったため、至急暖を確保する必要が生じたわけです。

 おまけに、本来ならそれができたはずの魔術が突然使えなくなったのですから、当時の人々は相当に混乱したでしょう。魔術なしで火を起こす方法も忘れられていたかもしれませんし。


 時に「歴史を動かす一ヶ月」とも言われる失せ月ですが、その一回目から既に歴史を大きく動かしていたわけです。


 伝説では「皇祖チハル」はこのとき、移転を即座に決断したそうな。まずは当時第二の村であり、同じく聖なる火があったケデロシオへ。そしてその後は、有志を募って次なる安住の地を求めて南へ向かったとか。


 いや頭が下がります。魔術が使えない状況で女、しかも当時既に高齢の人間が先頭に立つのは簡単ではありません。エルフの女は魔術があって初めて男と対等に行動できるわけですから、並の覚悟ではなかったでしょう。

 まあ、その後の皇統と同じく、彼女だけは失せ月であっても魔術が使えたという伝説もあるので、もしかしたらそれ頼みだったかもしれませんが。


 いずれにせよこのとき、彼女に従ってまったく新しい村を作った人々はエルフだけではありません。フィエン、プラエドワーフも含めた現生人類全員が一丸となって、この事態を乗り越えたようです。ああいや、プラエドワーフを現生人類に含めていいかどうかは諸説ありますけど。

 ともあれ新しい門出を飾った人々は、導き手の不在という失敗を繰り返さないために、教育に重点を置いた生活を志向するようになった……と、いうところまでが、古代前期のハイライトですね。往年の大河映画シリーズの第四部、「新たなる希望」のエピローグシーンです。


 これこそが「ヒノカミ・ソラルの消失」と並ぶ古代前期最大のイベントであり、以降は決定的な歴史の動きはありません。それが古代前期という時代です。


 ではなぜ歴史的に動きがないのかと言えば、それは短期間での気温の乱高下――学術的にはダンスガード・オシュガーサイクルと言われますが――と、何度も何度も発生する失せ月のために、発展がままならなかったからです。なぜもっと早く繁栄しなかったのか、という質問が来ていましたが、その答えの一つがこれですね。


 中でも失せ月の影響は特に大きく、まだ文明水準が低かった当時において、魔術が使えないということは現代に生きる私たちが思っているよりも遥かに困難を強いたことでしょう。失せ月が起きなくなって結構経つので、そういう意味でも。

 それにこの失せ月ですが、古代年間においては発生周期が後世に比べてかなり短かったと推測されています。それこそ数十年に一回とかくらいで起きていたみたいでして、これも相当に打撃になったのでしょうね。


 とはいえ、それでも三種族とも、少しずつとはいえ人口も生活領域も増やしているので、人間ってすごいと思わなくもないですけど。


 ですがこの時期において、文明がほとんど発達しなかった最大の理由は、他にあります。


 それはずばり、ルィルバンプが遺棄されたときに、ギーロやソラルの遺産とも言える、科学や魔術、あるいは未来に関する大量の書籍も共に遺棄されたからです。

 これによって、エルフたちは完全に導き手を失っていました。今でもそうですが、新しいことをとにかく苦手とするエルフにとって、これは何よりも致命的だったわけです。

 フィエンやプラエドワーフからも、それを打破できる天才は古代前期には現れなかったわけで……現実はままならない、ってところですかね。


 ……なんでそんな大事なものを遺棄したんだ、って思う人もいるでしょうけどね。私は当時の人々の気持ちもわかりますよ。

 だって当時の書籍といえば、全部粘土板ですからね。それを全部持ち出した上で、どこにあるともしれない次なる安住の地を求めての旅をする……というのがどれほど過酷かってもんですよ。


 ピンと来ない方は、ルィルバンプ博物館に所蔵されている三大聖書……技術白書と全史黒書、それに魔法蒼書の原本を見に行かれるとよろしいかと。笑えますよ、あまりにもページ数が多すぎて。


 おまけに失せ月の最中だったわけですよ。魔術の基本とも言える念動力すら使えなかったでしょうから、持ち出すなんてできなかったんじゃないかなーと。彼らだって持ち出せるなら持ち出してたと思います。

 後年三大聖書が再発見されてからは、確実に文明が発達していくわけですし。このとき失せ月が被らなければ、歴史はまただいぶ違っていたんじゃないでしょうか。


 え? じゃあ失せ月が終わったあとに取りに行けばよかったのに、って?


 その通りですね。まったくもってその通りなんですが……どうもこの時期、ルィルバンプは忽然と消えたらしいんですよね。


 どういうことだって? いや、言葉の通りですよ。それまであったはずのところから、消え失せたらしいんです。

 これに関する当時の史料は見つかっていないんですが、後世の記述ではそのように書かれていますし、この後……古代中期から後期に移り変わる際の重大なイベントで再びルィルバンプが歴史の表舞台に出現するまで一切話題にも上がらないので、本当に消えていたと思われるわけです。


 まあこれについては、次回……か、次々回でやりますので、そのときまで少々お待ちください。


 ……と、言ったところで時間もちょうどいいようです。今回の講義はここまで。

 また来週、同じ時間同じ場所でお会いしましょう。


 疑問質問は適宜受け付けておりますので、活用していただければと思います。


 それでは、また次回!

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