「ヒーローってのはな、強さじゃないんだ」
「強い弱いじゃないんだ、誰がなにを守るかなんだ」
「どの状況にいて、なにをするかが大事なんだ」
「お前もヒーローになれよ」
というのはウルトラマンオーブこと、クレナイガイさんの言葉である。
とはいえ実際問題、何かを守るためには力が必要というのが、悲しき世の摂理である。
昔からヒーローに憧れていた宇佐美真は、図らずも力を手に入れた。しかし、それは魔法少女であった。力にこそ変わりないが、それは望んでいた姿ではない。
さらには自分を慕い、サポートしてくれる迫川ひとみは、魔法少女となった真に鼻息を荒げるのだ。とんだ解釈違い、アイデンティティクライシスである。
しかし、ヒーローというのは“かたち”ではないのだ。
一般人がガンライザーになれるように(ローカルネタ)、男の子がプリキュアになれるように、魔法少女だって、ヒーローになれる。真の求めるヒーロー像が内面的なものであり、守りたいものがあったからこそ、彼はヒーローになれた。そこにはやはり、迫川ひとみという存在が必要性不可欠だったのだろう。
彼らがこの先どうなるのかまでは、私には分からない。けれどきっとこの先も、宇佐美真は彼女にとってのヒーローであり続けるのだ。