第2話未知との遭遇
昨日、彼女は大丈夫と言っていたが、かなり警戒して家に帰ったが、正直、既に恐怖は俺の中には無かったが不安はかなり乗っていた。
とりあえず昼休みに体育館前に集まる事になり、俺は午前中の間に昨日貰ったプリント類を失った事を担任に報告し、新しいのを用意して貰っていた。
流石と言うべきだろう、俺は化学科を専攻していたが、普段から独学ではあるがある程度知識を教養していたにも関わらず、ここの授業はそれすらも知っていたかの様に進んで行く、ここに居る生徒は全員と言っていい程勉強熱心で化学の事が好きなのだろう、周りを見ても授業についていけてない様な生徒は見当たらない。
俺は午前の授業を有意義に過ごした後はあらかじめ買ってあった昼飯を持って体育館に向かう。
しばらく待って居ると自分が来た方から歩いて来る、茶髪のセミロングで身長は160cm位の女の子がこちらに向かって歩いてきている、とゆうか昨日彼女だ。
暗がりで見ても可愛いと思ったが、はっきりと顔が分かるような時だと彼女の可愛さがより鮮明になっていた。
「あら、早いわね」
「男なら当たり前だろ? それとも君の周りの男共は君を待たせてばっかなのか?」
そんな風に挨拶を済ませると、そういえばと俺に名前を尋ねて来たので自己紹介すると、彼女はよろしくと自己紹介を始めた。
「あたしはスポーツ科学科学1年の安藤ヒカリよ」
正直、同じ1年生とゆうのには少しばかり驚いたがそれよりスポーツ科学科か、2日続けて特待生と知り合いになれたのはある意味幸運と言えるだろ。
「昨日の事が聞きたいんでしょ? それだったら今日の放課後って空いてる?」
俺の登校2日目で女子からのお誘いか、断る理由は無いな、俺は自分の予定を空けておくと彼女に伝えると、とりあえず放課後に西口の校門で待ち合わせすることになった。
その日の放課後、俺は約束通りに校門に向うと彼女が、先に待って居た。
「確かに私の周りの俺って私の事を待たせるのが好きみたいね」
「知り合って間もないのに、君の男共に数えて貰えて光栄だよ」
心の中で次からは絶対に先に来るよう俺は心に決めた瞬間だった。
とりあえず集合出来た俺達は、彼女に付いて来てと言われとりあえず付いて行ってるのだが、彼女は何も話さず無言で歩き続ける。
着いたわよ、そう言った彼女の目的地とは神社だった様だか、今は様子が違う様だ。
場所自体は都心にあるのだが、歴史的観点から見ても貴重な建物の為に大昔から変わらない様な作りになっていて古くは平安時代からあり、今でも周りは木々で囲まれ少し上に階段で登らないと本殿には行けない様なシンプルではあるが神秘的で由緒ある場所の筈なのだが、今は何故かパトカーに囲まれて物々しい物騒な場所になっている。
「ちょっと待て、わざわざこんな時来なくてもいいだろう!」
彼女はどうやら警察の立ち入り禁止の文字が見えなかったのだろう、脇の森から無理矢理に本殿に歩いていく、もちろん俺も彼女を止める為ついて行くのだが……
「今日ねここの神主さんが殺されたらしいのよ、でねその事件ってのが変わってて」
随分と楽しそうに話す彼女は全て知っててここに来ているらしい、彼女の話しを要約すると、今日の朝方神主さんが用事で外に出た際に悲鳴が聞こえたらしく、近くに居たバイトの巫女が慌てて外を見たんだが、神主さんは扉の目の前で死んでいたらしい、その際地面には足跡や人影は無かった様だ。
「だからと言ってそれだけじゃ殺人とは違うんじゃないか? 何か心臓の病気とか持っていたとか」
「確かにそういった事も可能性の1つよね、ただ以前から脅迫文など頻繁に送られていたみたいよ」
あれこれ理由は言っていたが結局の所彼女の勘らしい......
そうこうしている内に森を抜けて本殿の外壁まで来ていた。
彼女は入り口にも警官が立って居たのを確認し、迷わず反対側に周り壁を登り出すが、何と言うか可愛いピンクのパンツが丸見えであった。
こうゆう時男としてはどうするべきなのだろうか、目を逸らすべき行為が普通の筈なのだが、俺は化学の発展の為に今特別な学校に入学した筈だ、なら普通では無いことをするのが正しいのでは無いか?
俺は化学の為に彼女が壁を登るのを助け、尚且つパンツを見よう。
「こんな事に付き合って貰ってゆうのもどうかと思うけど、流石にそんな風にはパンツ覗かれるとは思っても見なかったわ」
彼女は身体を全部壁の上に乗せ、スカートを抑えながら俺をじっと睨む様に言っていた。
「登るのを手伝ってあげただろ?それでチャラだ」
俺も、ここまで来てしまった事や、多少のパンツについての罪悪感から壁を登り、中に入ってしまった。
「君達ここで何やってる!」
俺達の物音や話し声が聞こえたのか、それともたまたま通ったのかは分からないがとにかく警察官がこちらにやって来るのが見えた俺は、流石に終わったと思ってしまった。
「私達は宗教的理由でここにいます」
は?警察官は訳の分からい事を言ってる彼女に対してそんな変な声を出していて、俺自身も声には出ては以内が同じ事を思っていた。
「いや、しかし外を見ただろ? ここは今立ち入り禁止何だよ」
「えぇ、知っています、ですが私達の宗教では必ず毎日参拝しなければならないと決まりがあり、それが神に対する信仰でいかなる理由があろうと私達は信仰を破る訳にはいきません、それは神に対する絶対の忠誠の証でありそれを守る間は神は我々を守護してくれています。ですがもし神を裏切れば私達は神に見放され大いなる災いが訪れるでしょ」
彼女は突然そんな事を言いながら頭を下げて、どうか邪魔はしません、神に対する祈りを捧げさせては貰えませんか? そう警察官にお願いをした。
困った警察官はとりあえず上に掛け合うと言い残しその場を去っていく。
「警察なんてこんなものよ、やれ宗教だ信仰だって自分の知らない事や触れずらい問題は見て見ぬふり、そうやって現実から目を背けて自分達を守っているのよ」
彼女はそう冷たく言い放っていたが、俺はそれに対して何も言えなかった、むしろ彼女のさっきまでの明るい雰囲気からは想像の出来ない様な冷たい雰囲気に何も言えなかった。
とりあえず彼女は大人しく警察官を待っているつもりは無く、勝手に辺りを調べ始める。
「やっぱり嬢ちゃんか」
そう言いながら近づいて来たのは先程の警察官とは違い、頭をポリポリ掻きながらドラマなどでよく観るような刑事の様な人が近ずいていた。
「あら、ミノさん奇遇ね」
「宮野だ! 今回はお前の好きそうな事件とかじゃないぞ」
「あら、そうなの? 私のソースによれば普段から脅迫状や殺害予告などが届いていたみたいだけど?」
「お前のソースはここのバイトの巫女さんだよ、ったく現代っ子ってのは何でも投稿しやがる。お前もあの巫女さんの半分妄想見たいな投稿を読んでここまで来たのかよ、ったくご苦労なこったよ」
そんな風にはやたら親しげに話していたが、彼はポケットの携帯電話が鳴りちょっとすまねぇと言いながら電話に出ていた。
俺は彼女にこの人は? と尋ねると刑事の宮野守と教えてくれたが、やはり刑事だったか、小声で俺達は会話したが突然.....
「何だって?!」
刑事さんが慌て出したが最後は分かったと電話を切り、ハァと軽くため息をついて俺達に話しかける。
「あーさっきの前言撤回だよ、これはお前が好きそうな事件だよ」
彼女は得意気に胸を張っていた。
刑事さんは俺達に新しい情報と今回の事件について教えてくれるようで内容はこうだった。
まず被害者の神主は葉山明さん(32)今朝10時頃に待ち合わせがあった為に自宅もあるこの神社を出るのだが、玄関の戸を閉めた瞬間、悲鳴を上げたらしい、そこに第1発見者でもあり葉山さんの見送りをしていたバイトの水野さん(24)が慌てて戸を空けるが葉山さんは既に倒れて死んでいた。
その際彼女は一瞬ではあったが黒い何かが彼女の前を通り過ぎたのを見たと言っている。
そしてここからが新しい情報で、当初警察は彼女が言った黒い何かはそうゆう特殊な状況下での一種の幻覚か何かと判断し、遺体に刺傷や外傷が無かった事から病死と断定していたが、念の為の解剖の結果、心臓に小さな刺傷があり、照合の結果それは釘である事が分かった。
「つまりあれね、警察ではお手上げってことでしょ?」
「まぁ、上はこの事件を事故で済ませたいらしいよ」
どうして?そう彼女が問いかけると、刑事さんは一瞬話すのを躊躇ったがそれでも話してくれた。
「ここは由緒ある土地で、今でも必ず国の大事の際には必ず訪れる場所のひとつになっている。だけど最近の不況の煽りによりここを移転する計画があったらしい」
「それで、邪魔になって殺したって事?」
「いいや、葉山さんは大賛成だったらしい、まぁなんだ、ここを売って金も入り尚且つ国からも移転の資金が手に入る、後は少し離れた場所に小さな神社でも建てれば金だけが余りある程度は贅沢出来るって事さ」
「つまり国は不況とは言いつつここを買ってまでも出ていって欲しかったの?」
「そうだ、ここは都心のほぼど真ん中にあるのにも関わらず、無駄にデカい土地をただの神社にしている。だったら別の場所に建てて、この土地を有効活用したかったのさ」
ちなみに、葉山さんが今日会う予定の人は土地の売買に関わる人だったらしい、だが俺はこの話を聞いて少し疑問を覚えた葉山さんはと刑事さんは言った、もしかして別の人は反対していたのか? 俺は少し疑問に思い尋ねてみる。
「へー兄ちゃんも勘がいいねぇ、そうだこの土地売却に反対していた人物も居るんだよ」
「勿体ぶらずに教えなさいよ」
「葉山さんの弟の洋司さんだよ」
俺達はとりあえずその人に話を聞くことになり、自宅でもある本殿に向かう。
ごめんくださいと彼女は勝手に戸を開けて自宅の中に入っていくと、置くからまだ若いが少し白髪が入った男性が出でくる。
「えっーと、どちら様でしょうか?」
男性は少し戸惑ったような態度で話しかけると刑事である宮野さんが事件の説明と俺達の事を捜査の協力者として説明してくれた。
「刑事さんのお話で大体分かりました、そう言うことであれば私達も協力させてもらいます。」
すると白髪混じりの男性は被害者の葉山明さんの弟である洋司さんだと分かりお茶を持って来ると言い部屋を出ていった。
洋司さんの退出後、刑事さんは電話をすると部屋の外に行き、ヒカリもトイレに行ってしまい部屋には俺一人になってしまった。
俺は改めて今回の事件を考察してみると、まず殺された葉山さんは身体の何処にも刺傷は無く、解剖の結果心臓だけには釘のような物で刺された跡があった。
その結果死亡し、その際バイトの水野さんが黒い影の様な物を見たと証言している。
だが、俺にはその状況下で殺人を行えたとは思えない、だったらやはり事故では無いか? 俺は自分なりに推理してみる。
もし明さんが釘などを以前に誤ってかあるいは故意的でもいいが、飲み込んでいたとすると、釘は胃袋の中に入りそこを貫通した可能性がある。
人間の身体は小さな穴でさえ、自然治癒で治ってしまう場合があるというし、そこからしばらく穴が治るまで、無事に釘が残り今日その釘が心臓に刺さったとしたら.....
ってやっぱりこの推理には無理があるか、大体刺さったとしたらその釘は何処に行ったんだ? 俺は頭を悩ましては見たが中々思いつかない。
すると電話を終えて刑事さんが戻って来た。
「どうだい? 探偵くん、何かわかりそうかな?」
「もし飲み込んでいたらとか考えていたんですが、どうも中々……」
「へぇー流石に彼女が連れて来ただけはあるね、中々の推理力だよ、解剖してた医者達も今一生懸命に探しているんだよ」
「あの気になっていたんですが、ヒカリとは知り合いなんですか?」
「彼女の事は直接聞きな、俺が言えるのは......」
そうゆうと刑事さんはヒカリについて少し話してくれた。
彼女と初めて会ったのはもう少し前らしいが直接話したのは2年前、突然ヒカリは現れたらしい、今と同じ様にある事件現場に勝手にやって来てあれこれ調べようとする。
初めは追い返したりしていたらしいが、その時の事件も今のようにお手上げ状態だった。
彼女の一言をきっかけに全てが変わる<宇宙人>その言葉を聞いた時は正直誰も相手にしなかったが、彼女が余りにもうるさかったので、追い返す為と信じた振りして話に付き合ったらしい。
その際宮野さんは見てしまったらしい<宇宙船>ほんの一瞬ではあったが確かに見たらしい、それからは宮野さんはそれぽっい事があるとヒカリに連絡をしているんだけど、既にいつも勝手に来ているらしい。
そんな馬鹿な、俺は宮野さんがさっきまでの気だるそうな雰囲気から真剣な話し方になったと言っても宇宙人や宇宙船の話しは信じれ無かった、実際その事件は未解決となりそのまま捜査は打ち切りになっている。
その際も彼女自身も本質では追い求めてたものとは違ったらしい。
「まぁ、なんだ、少年探偵くん、彼女と付き合って行くならそういう事もあるよって、大人からのアドバイス」
そんな風に話してくれる宮野さんはいつもの気だるそうな雰囲気の話し方に戻っていた。
お茶を持って来てくれた洋司さんは帰りが遅かった事を聞くと、どうやらバイトの水野さんに連絡をしていてくれたみたいで、すぐに来てくれるそうだ。
しばらくして来てくれた水野さんの話しを聞くと、事件の事を話してくれたが、別に不審な点は無く、例の黒い影についても、本当に一瞬だったらしく、自分でさえ目の錯覚だったかもしれないと思うほどに僅かなものだったらしい。
ここで一つ疑問なのはヒカリは何処にも行った?トイレとは言ってもいくらなんでも遅いだろ、そこで水野さんが見て来てくれると言ったので確認してきてもらうが。
居ない?! その場にいた全員が驚いた顔をしていたが、とりあえず探す事になったが以外にも彼女は簡単に見つかった。
彼女は外で事件の事を調べていたらしい、俺と刑事さんが部屋で頭を悩ませてる間にこいつは何をやっていたのやら。
「ちなみに私はこの事件の真相が分かったわよ」
その場にいた全員が驚いた。
彼女は今まで調べた事と事件の推理を聞かせてくれた。
まず彼女は外に生えてる木を調べて至らしい、木と言っても本殿などを囲ってある壁の外では無く、あくまでも本殿の敷地内の木々を調べていたら、一本の木から小さな穴の後を見つけたそうだ。
「つまりこれは呪いの藁人形を使った事件よ」
彼女のオカルト推理を聞いた俺達は全員驚いた様子をしていた。
ん? いや全員では無い、洋司さんは怯えた表情で足が震えていた。
さっきまでの優しく穏やかな表情では無く、恐怖に包まれた面向きで、声を震わしながら話し初めた。
「ほ、ほんとに僕が殺ろしてしまったのですか、兄さんを!」
彼は語り初めた。
自身が今まで土地の売買に反対していた事を、脅迫文などを書いたことを、そして藁人形を使って呪いを掛けようとした事を、だがどれも本当に殺すつもりは無くこんな性格の為に普段は強く言えないが、それでも自分の本気さを知って欲しかったからと。
「いや、ちょっと待て! 藁人形? 呪い? おかしいだろ! そんなので人が死ぬ訳げが無いだろ!」
俺が全力で否定していると、ゔぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙突然の叫び声に振り向くとさっきまで怯えていた洋司さんが突然燃えていて。
「どきなさい」
その声と共に俺はヒカリに押されるが、その時彼女の手には待っかに燃え上がる火を消す為の真っ赤な消化器が握られていた。
俺は今日の事を振り返るが分からないことだらけだった。
彼女は全ての事を分かっててやっていたのだろうか? 彼女曰く、人を呪えば穴二つという言葉の意味には別の意味も含まれており、呪いの事を話す、術者の裏切りを防止する為の別の呪いらしい。
彼女のオカルト解説によると、藁人形などは本来であれば、使える人間はほとんど居ないらしいが、場所が悪かったらしく、こんな由緒ある神社で代々住んでいた、神主の家系だった事も術の発動に大きく関わったらしい。
結果として呪いの知恵はあっても藁人形に関する知恵が無かったとの事だが、真相は大火傷を負った洋司さんの回復次第らしいが、彼女にはどうにも気になる事があるみたいでだ。
まずどうやって藁人形の知識を手に入れたのか、これにはネットなどに書かれているなんちゃって術では無理らしく、仮に知っていたとしても、必ずさっきの様な術の漏洩を防ぐ呪いの知識も普通ならセットで知っている事らしいく、教えた人間が意図的に説明をしなかったとしか考えられないらしい。
事件としては結局謎のままだが、彼女やそれを目撃した俺達にとっては今回は終わりを迎えた。
こうして俺は今後出逢うであろう、未知なる体験の1歩目を歩んでしまった。
ゼノンタース〜未知なる彼女と不思議な学園生活〜 クルクル豆鉄砲 @kurukurumamepistol
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