遠い未来、地球の各国が宇宙のどこかに植民惑星をもつようになった時代、日本の影響下にあった星・アキツで物語は始まります。
主人公はサクという名をもつ少年型アンドロイド。一般用、普通の人間の主と一緒に暮らすための型であるアミューズメント型にしては、あまりにも普通の、特徴のない、まるで人間のような少年です。
そのため前の主人には捨てられてしまうのですが──おやおや? サクには何やら特殊な機能があるようですね。本人も気づかなかった、知らなかったような機能が……。
凝った世界観ながらも現代に生きる私にとっても分かりやすい描写で表現されていて、すらすら読むことができました。アンドロイドや世界のシステムに厚みはありますが、少しライトな語り口調にも思えて、取っつきやすいです。
また、実はハードな経歴のサクも、とってもいい子で、本当にいい子で、真面目な子ですが重くなりすぎず、ともすれば若干コミカルな感じもあります。応援したりくすっと笑ったりなどして、いつの間にか彼と一緒にアキツにいる気分になります。
パーツにばらして使うつもりで買われるというのは、字面だけ見るとハードですが、今のところ怖い話ではないので、多くの方に気軽に読んでほしい名作です!
とか言って、これからサクが危険な現場に投入されたりとかしたらどうしよう……! まあ、アサキがどうにかしてくれそうな気もするけど……!
(※第4話、約24000字まで読んだ時点でのレビューです。10万字を超えたらまた書き換える可能性があります)