フレネミーなM子

@kara_age

第1話 M子

『フレネミー症候群』。


フレンド(友達)とエネミー(敵)を掛け合わせた造語。


「友達ふりをした敵」な人を指す言葉らしい。

またはそのような女子のことを「フレネミー女子」と呼ぶ。


例えば友人に向かって「あなたって化粧映えする顔だよね!」。

一見褒めているようにも受け取れる言葉だが、この場合、つまり相手のスッピンが冴えないと言っている。


さらに「私なんて派手な化粧似合わなくって。素のままがいいって言われるんだけど、全然だよねぇ?」。

つまり、人のスッピンを冴えない扱いしたのちに、自分は素がいい自慢をしている。


このように、友達のふりをしてはいるが、その陰で相手を貶めたり、または相手が堕ちてゆくのを願う女子を、フレネミー女子と呼ぶのである。


少し前に、いちいち人と張り合って自慢をする「マウンティング女子」という言葉も流行ったが、それと似ているかもしれない。


フレネミーも、人に対する強い劣等感や嫉妬心が原因でそうなるらしい。




あなたの周りにいますか?フレネミー。



私にはかつて、M子という友達がいました。

(今となっては友達だったかどうか怪しいものですが)


私よりも3つ年下で、ちょっとワガママで、でも私に甘えてくるM子が好きだったときもありました。


ある時から、M子と関わることをストレスに感じることが増えて、ある出来事をきっかけに縁を切りました。


縁を切ってから気づいたのです。

彼女がフレネミーだったことに。

私のことを「K姉ちゃん」と呼ぶ陰で、ずっと私を妬んでいたことに。

親しげなふりをして、実はずっとずっと私に呪いの言葉を吐いていたことに。


これは、そんなM子との13年間をまとめた物語。



もしこれをどこかで読んでいたら、きっと自分のことだって気づくよね、M子?

そう、あなたのことだよ。

面と向かっては言えなかった色んなこと、こうして物語にしてまとめておくね。

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