星を食べる

ボタン

星を食べる

 星が欲しい。


 何万光年先のキラキラ光る星の一粒が欲しい。

 手の平に乗せて堪能した後、ひょいと口にいれて食べてしまいたい。


 私の舌の上には星の光があるのだと幸福に満たされてしまえば。

 例え歯に砕かれ砂になっても、胃液に溶かされ美しい光を失っても、私の身体は星になったのだと、私を愛せるでしょう。


 空の一番星を見つけた、あの小さな喜びをその身に宿して。

 星を食べた私は、私の身体を巡る星だった物へと願いをかける。


 どうかお星さま、願いが叶いますように。

 どうか私、願いが叶いますように。

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