第2話
夏頃に私は、軽い熱中症から体調を崩し、しばらく家で大人しくしている時期があった。しかし盛夏の頃を過ぎても体調が良くならず、いつもより少し違った体調の悪さを感じた私は、まさかと思いインターネットの世界に疑問を滑らせた。
当たりだった。症状の殆どが妊娠の初期症状。検査薬にもくっきりと陽性が表れた。まずは保秀さんに相談しよう、と夫が帰宅するのを待った。
「保秀さん、おかえりなさい。」
「綾子さん、ただいま。やけに嬉しそうだけ ど、いいことでもあったのか?」
「保秀さん、報告があるの。私、保秀さんとの子どもを妊娠したみたい。」
私達は、中々子どもに恵まれず、もういっその事2人で過ごしていくのも悪くは無いか、と相談していた。そんな矢先の事だったので、彼はとても喜んでくれた。
「なんだって、それは本当か?しかしまだ検査薬だけでの結果なら、明日しっかりと病院にいって見てもらって来なさい。でも、ありがとう。」
私達夫婦は、きっと今どの世界の夫婦よりも幸せだ、そう思えるほどに喜びあって、ただの食卓に並んだご飯も、いつもよりも美味しく、温かく感じられた。
あんなことが起こるまでは。
私と夫 @narulove
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