私と夫

@narulove

第1話

私は、奥田綾子26歳。現在第一子を妊娠中の専業主婦だ。夫の保秀さんは優しくて、いつも私やまだ見ぬ子どものため気遣いを見せてくれる。

彼と結婚するのは、正直に言って大変だった。彼の母、つまり私にとっての義母はかなりの意地悪な人だった。春に義実家と私達夫婦で花見に行こうと言ってきて、お弁当を作るのは私。車を運転するのも私。ある時、水入らずで旅行に行こうと言ってくれ、お金も出してまでくれたが旅館の予約も楽しめるようプランを考えるのも私。……まぁ、お金を出してくれただけまだマシだ。極めつけは、それほど近い距離でもない私達夫婦の家に、勝手に作った合鍵で入ってくる事だった。物を取るなんてことはしないが、必ず家に入った形跡をわかるように残していくのが不愉快で気分が悪かった。綺麗に掃除したお風呂が濡れていたり、トイレットペーパーを使ってそのまま芯を変えずに置いていたり。そんな生活に嫌気がさしていたが、旦那も義父も注意してはいても全く義母が聞く耳を持たないので、私だけが我慢すればいい、と考えていた。

そんなある時、私が夫婦や義実家にとっての待望の第一子を妊娠した事で事態は一変した。

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