第35話 茜の過去、その4(魔法力の解放)
メリルは大樹寺 弦を見て思っていた。
なぜ、この見慣れない男がこれだけの力を持つ魔人の攻撃を凌げるのかと。
だが今は目の前の魔人をなんとかしないと!
メリルは魔人に向き合うと、睨みつけ、肌で感じる魔法力を感じていた。
「
メリルはそう焦るように言うと、一瞬身体が勝手に身震いをする。
そう、この魔人はメリルが身震いをする程の魔法力を持った魔人。
「
そう感じ取ったメリルは、リンクした女神候補生のルイールに話す。
「ルイール、私の魔法力をフルに解放させるけど、制御できそう?」
『メリル、何年貴女と組んでいると思うの。大丈夫よ。制御してみせるから』
「ルイール‥‥ありがとう‥」
メリルが今から行おうとしている事、それはメリル自身が持っている魔法力を全て出し切る事。しかしこれをするには、余りにも強大な魔法力を制御しなければならない。
もしこれをメリルが一人ですると、魔法力が制御できなく、メリルの自我が崩壊し、死に至らしめる。
そこで、女神候補生とリンクして女神候補生に魔法力を制御してもらう。
しかしこれにも問題がある。
女神候補生でも制御出来ない程の魔法力だった場合は魔法力に押しつぶされてこの世から二人共消滅してしまう。
その魔法力の解放を初めてメリルとルイールはしようとしていた。
「行くわよ!ルイール!」
『ええ!いつでも!』
メリルは全身に力を入れた。
するとメリルの体は発光色のピンクの色が包み出す。
そのピンクの発光色はまるでメリルとルイールの心、命を燃やし尽くしているかのようにも見える。
「なに?いったい?‥‥‥チーフ!」
「メリルチーフ!‥エルゼさんこれは!」
「メリルチーフ‥‥‥魔法力の解放‥」
エルゼとギルシェはメリルを見て驚きメリルが解放した魔法力により、周りの空気が振動しだしたのが肌でわかる程の魔法力の力に更に驚く。
「エルゼ‥‥‥ギルシェ、離れて」
「「メリルチーフ!ハイ!」」
エルゼとギルシェは魔人から距離を取った。
それを見たメリルは、苦笑いに近い笑顔を二人に見せると
「クウッ!‥‥‥ルイール大丈夫?‥」
『‥だ‥大丈夫よ‥けれ‥くらい‥』
誰が聞いてもわかるかのようなやせ我慢をしている様な言葉で返すルイール。
そしてメリル達から少し離れた弦や後方で救助活動をしていたアマネイルにも、肌にその強大な魔法力の力が伝わってきた。
「なにこの感じ!‥‥‥メリルチーフ!」
「凄い力だ!けど‥‥‥あの女持つのかよ?」
心配するアマネイルと弦。しかしこの弦の不安は後で現実の事になる。
異世界救助隊 / 女神候補生がパートナー! 本田 そう @Hiro7233
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