ひたすらに綺麗!!
書き出しの吸引力といい、締めの引き具合といい、まさしく星のように煌めいてました!
詠井さんの特徴なのかは分かりませんが、これは男女問わず刺さる人にはかなり刺さると文体ですね!
中弛みもあまりなかったのがまた評価できる点ですね。こういった文体構成をされる方は、『綺麗にしようとし過ぎてしまう』ことがあるので、それをなるべくコンパクトに、かつ、クオリティを落とさない表現力は素晴らしかったです!
気になった点を挙げるなら、前記の通り、こだわりの表現が先行して、たまにやり過ぎてしまい、読みにくくなってしまうことがあることでしょうか。
何回か一文単位で読み返したり、リズムよく音読できない箇所がありましたので。
この詠井さんの綺麗な表現を保ちつつ、読みやすい文章構成を意識した『5・7・5』や、表現対象にフォーカスを当ててから広げていく『3・5・7』、逆に広い視野からピントを萎めていく『7・5・3』など。
そーゆー描写における文章リズムとテンポを覚えると、より一層完成度が上がるんじゃないかなぁなんて、言ってみます!
物語そのものは、ハイライト方式でとってもよかったです。特に自分は作品を書く上で、キャラクターの『願い』はテーマ上かなり重要視する人間なので、それを中心に描かれていたのですから、大好物でした!!ありがとうございます!!
これからの作品も、期待しておりますね!!
金平糖を口に転がすように、すっと胸に染み込む文体は、あたまに広がり、淡く色づいていきます。
思わず、レビューも作品の雰囲気に引っ張られそうです。
それほどにこの作品は、想像するだけでパステルカラーに包まれた美しい情景を描いています。それだけではなく、美しいだけではない「願いの裏側」をちゃんと描き、気づかせ、感動させ、心に何かを残す素晴らしい作品でした。
ともすればイメージ集になりそうなお話を、登場人物の「揺らぎ」そういったもので次を読ませる雰囲気作りを見事にやってのけています。素直に、「すげーなー」って漏らしてしまった作品でした。