願い片手にちょっと泣いて、早くおうちに帰りましょ。

作者 詠井晴佳

50

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★★★ Excellent!!!

「詩、あるいは童話」に期待する読書体験とは――美しい世界観が瞼の裏に浮かび、それを彩る巧みな言の葉が耳の奥に残る、そういったものであろうと思う。

しかし、その枠組みの中で「小説」を書こうとすると、どうしても観念的なものに終始し――読者としては「はて、これはどう解釈したものだろう」と、残滓がいつまでもこびりついてしまうことがままある。

そういった中でこの物語は、実にぎりぎりのバランスで「心象」と「物語」の中庸をいっており、作者様の言う通り「あなただけの解釈と物語」を楽しむことができる。ぜひ一読してほしい。

★★★ Excellent!!!

ひたすらに綺麗!!
書き出しの吸引力といい、締めの引き具合といい、まさしく星のように煌めいてました!
詠井さんの特徴なのかは分かりませんが、これは男女問わず刺さる人にはかなり刺さると文体ですね!
中弛みもあまりなかったのがまた評価できる点ですね。こういった文体構成をされる方は、『綺麗にしようとし過ぎてしまう』ことがあるので、それをなるべくコンパクトに、かつ、クオリティを落とさない表現力は素晴らしかったです!
気になった点を挙げるなら、前記の通り、こだわりの表現が先行して、たまにやり過ぎてしまい、読みにくくなってしまうことがあることでしょうか。
何回か一文単位で読み返したり、リズムよく音読できない箇所がありましたので。
この詠井さんの綺麗な表現を保ちつつ、読みやすい文章構成を意識した『5・7・5』や、表現対象にフォーカスを当ててから広げていく『3・5・7』、逆に広い視野からピントを萎めていく『7・5・3』など。
そーゆー描写における文章リズムとテンポを覚えると、より一層完成度が上がるんじゃないかなぁなんて、言ってみます!

物語そのものは、ハイライト方式でとってもよかったです。特に自分は作品を書く上で、キャラクターの『願い』はテーマ上かなり重要視する人間なので、それを中心に描かれていたのですから、大好物でした!!ありがとうございます!!
これからの作品も、期待しておりますね!!

★★★ Excellent!!!

「綺麗だ」と読み終わって一言、何とかそれだけ出てきました。
語彙力が消失しています。

世界観に登場人物、ストーリーとそれらを綴る文章。
そのどれもが綺麗です。

おとぎ話のような不思議なお話であるにもかかわらず、「願い」をテーマに据えたこの作品は、常に読んでいる人に色んなことを問いかけてきます。

是非ご一読を。

★★★ Excellent!!!

この作品を読み終わった時、僕は思わず作者様の名前を呟いていました。
もしかして恋でしょうか。
いいえ、恨みです。

あまりにも綺麗で、けれど綺麗がゆえに、ラストが刺さりに刺さるのです。
あまりの痛みに、感動に、僕は呟かずにはいられませんでした。

もとより明確な解答は存在していない、と前置かれたこの作品。読む人それぞれに存在する解釈は、まさに星の数ほどあるのでしょう。

読み終わったならばぜひ、ほかの読者と話し合ってみてください。

「あなたはどう思った?」

と。

★★★ Excellent!!!

金平糖を口に転がすように、すっと胸に染み込む文体は、あたまに広がり、淡く色づいていきます。

思わず、レビューも作品の雰囲気に引っ張られそうです。

それほどにこの作品は、想像するだけでパステルカラーに包まれた美しい情景を描いています。それだけではなく、美しいだけではない「願いの裏側」をちゃんと描き、気づかせ、感動させ、心に何かを残す素晴らしい作品でした。

ともすればイメージ集になりそうなお話を、登場人物の「揺らぎ」そういったもので次を読ませる雰囲気作りを見事にやってのけています。素直に、「すげーなー」って漏らしてしまった作品でした。

★★★ Excellent!!!

人々の些細な「願い」……その源である「願いの枠組」を空から降らす役割を担うメル。そんな絵本のファンタジーのような美しい世界観と、全てを語らない練られた文章は、メルのこれまでとこれからへも想いを馳せさせます。
そこには、私の感じた私だけのストーリーがあり、違う方が読めばまた違った解釈が生まれるでしょう。
確かな筆力で描かれる幻想的な世界に、あなたも是非溺れてみては。
きっと、貴方が感じたメルの「願い」がそこにあるはず。