様々な思いが胸に去来するお話です。
その中で、悲しい思いがあるでしょう。辛い思いがあるでしょう。
寂しさや苦しみに似た感情が、読む人の胸に去来するはずです。
その思いで、私は「ノスタルジア」という題名の意味を知りました。
登場人物は、失礼ながら、利口とは思えません。利口とは思えませんが、どうしても気になってしまうのです。
どうすれば、このシーンに辿り着かずに済んだだろうか、と。
作中に、当然ですが、私はいません。だから言葉を書ける事も、手を貸す事もできません。
それが口惜しくなるくらい、鋭く、そして鈍く、文章が突き刺さってきます。重くて痛くて、序盤で耐えられなくなるかも知れません。
でも読み切ると、自分が子供だった頃の記憶をひっくり返し、似たような子を探してしまうくらい、昔を思い出そうとしてしまう読後感がありました。
ノスタルジックな感情です。
そして私は、読み返せば違う結末があるのではないか、とスクロールを下から上へと戻してしまいました。