第6話

「おっ。気が早いわね。じゃあ入部してくれたら教えてあげます。ところでそこのお嬢さん。あなたもどうかしら?素質あると思うわよ。」

「えっ、私ですか?……いや、怖いのでちょっと無理かなと思います。」

「あら、残念。……ところで、おなかすかないかしら?」

と言いいながら、なにやらテーブルに運んできた。たしかこれは、この前オープンしたばかりのお菓子屋の箱だ。そして、ドーナツを取り出した。少女の目が輝いた。

「どうぞ召し上がれ。」

「んんーっ。おいしいっ。」

少女はすぐにとびついた。さっきまで怖いといっていたのはなんだったのだろうか。よほどおなかがすいていたのだろう。

魔女の格好をした女性はにやりと笑った。

「あっ、食べましたね?」

少女はドーナツをほおばりながら、ふと我に返った。

「いや、これは……。」

「とりあえず、体験入部してみない?きっと好きになるはずよ。もし、自分にあわないと思ったらやめていいのよ。」

少女は少し時間をおいて返事した。

「では、そうします。」

そんな感じで、2人は体験入部を申し込み、その日は解散となった。


……パパ、ママ……。

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僕はあの子の手が握れない @shadowww

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