九条林檎No.5の結実









 バーチャル蠱毒の勝者が決定した。

 九条林檎の壺の中で生き残ったのは我らがラスボス、九条林檎No.5だった。



 バーチャル蠱毒については前回の記事を読んでくれた方ならご存知だろうし、そうでなくてもこの記事を開いて読む人ならばご存知であろう。

 ついでに言えば僕がNo.5推しであることも、同じ理由でご承知のことと思う。


 いつだったか、彼女は言っていた。


「これまで目をつけてくれる者はいなかった」

「生まれてこの方、ずっとずぶ濡れの負け犬だった」


 その彼女が勝利した。

 世界は彼女を評価した。


 実のところ、僕も街を放浪するずぶ濡れの負け犬だ。誰にも評価されなかったからこそ、今もこのあたりをうろついている。だからこそスターダムに駆け上がる彼女の存在は眩しく、そして惹きつけられる。


 遠巻きに見つめる群衆を招いて当事者にしてしまう、彼女の行いがここに結実した。



 欲を言えば、僕も彼女に巻き込まれたかった。

 自分で見つけるのではなく、彼女の招きで輪の中に入りたかった。

 それはきっとエモーショナルだっただろう。

 ラスボスに手招きされて舞台の上に上がり、そこで彼女の勝利するさまを見るのは。

 できることなら僕もそうなりたかった。


 けれど、まあ、いい。

 バーチャル蠱毒を追いかけて、ただ失っていくだけだったこの祭りの中で、彼女を失うことを免れたのだから。





 ところで、今夜も配信がある。

 だから前回の記事に続き、今一度言おう。

 九条林檎No.5をフォローし、配信に向かおう。

 彼女は吸血鬼と人間のハイブリッドだ。その二面性はTwitterと配信に明確に表れている。

 配信ではTwitter上のラスボス吸血鬼とはまた違う、人間らしくもとても聡明な彼女の一面が見られる。

 声としゃべりが独特だ、と最初は思うかもしれない。僕も最初はそう思った。でも十分で慣れる。どころか中毒になる。



 最後にもう一度。

 九条林檎No.5をフォローし、配信に向かおう。

 彼女の紡ぐエモーショナルが、貴方を待っている。

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【バーチャル蠱毒】九条林檎No.5というラスボスについて 有坂紅 @Hadaly

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