第2話
「今日、の、夜会えますか?」
理央はメールを打っている。細いとも言えない指で、ピアノでも打つように滑らかに打っている。4人にメールを送信して、1人から返事がきた。
"泉の広場に8時にどうですか?"
8時は彼女の仕事が終わり、電車で梅田に着くとちょうどいい時間だった。
「大丈夫です。では8時に泉の広場で。」
そう返事をしてまた仕事に戻った。
彼女の心にはなにもなかった。
なにもない事を気づきたくもなかった。
そして愛されたい人には愛されなかった。いや、愛されるということがわからないので、愛し方もわからず、それ故に愛されることもなかった。彼女の心にはなにもなかった。
ただ生活だけがそこにあった。
月の見えない寒空に @BEN-G
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