不思議な雰囲気の中で、不穏に話が進む。男なら誰しも不安に思う間男の存在。赤鬼、屋根裏、ソファ……。全ての符牒の先に見える答えは、思わぬ展開を見せる。妖怪も、鬼も、いるのです。要るのです。
ためになるお話。そして、面白いというお得な短編。ああ、人というのは難しくも愛おしいものですね。どこの家にも鬼がいる。あなたのお家にも屋根裏にソファを導入してみませんか。そうすれば……シリーズで読むと、「あ、血だね」という発見あり。おすすめです。
聖人君子じゃないんだから、親だってかわいい子供にお灸をすえたくなること、あります。ただそれが、感情まかせになると禍根を残します。虐待とか、ネグレクトとか、主人公が心配したように、リアルでありますから、このお母さんはとても賢い。賢い母親を持った娘は幸せであると、断言できます。