Revive・memory

ぺん

プロローグ的な?

フリージング・ローズ。

とある日本の先端医学大学がそう呼ばれるようになったのは、2030年に――クライオニクス技術が公表された頃からだ。

クライオニクス技術。

またの名を人体冷凍保存とも呼ばれるそれは、心肺停止した対象者の肉体を最先端の処置法で安定化、液体窒素で長期間保存し、これからの医療技術の進歩を待って未来での蘇生を目的とした技術である。

SFでよく見る夢のような医療技術だが、フリージング・ローズはクライオニクスの正確性や安全性を確信的に主張し、不知の病で死に怯える人々を未来へと送った。


しかし、当初の俺を含めたクライオニクス患者6万人は誰一人として、フリージング・ローズの本当の目的など気付かず、未来に希望と命を託し、安眠するように目を閉じた。



次に目を覚ます時、そこは剣と魔法の世界になっていることも知らずに――。

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