風疎開

安良巻祐介

 

 窓側が丸い大きい穴だらけで、風の吹き込み過ぎる廊下を、ぽつ、ぽつ、と点々の靴跡を付けて歩いていったら、この誰もいなくなった学校の大きさと広さと、これから先百年も千年も付き合わねばならない静寂の気配が胸に沁み込んできて、窒息しそうになった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

風疎開 安良巻祐介 @aramaki88

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ