128:結果的に、後輩くんのそばにひっついて。
いま部活を終えるんでちょっと待っててくださいね、みたいに言われました。
最後は舞台の上でちゃんと声を出して柔軟体操をして。演劇部の部長なので当たり前ですが、後輩くんは柔軟体操や最後のミーティングなどなどのとき声出しをして声かけをしてうまくまとめていて、
講堂の椅子に腰かけてそれを見上げるばかりだった私は、ああ、すごいなあって、ひたすらにそう感じていました、――苦く。
ほんとうに部活は終わりも終わりのころだったようです。私が来てからものの十分とか二十分とかでしょうか、それで最後の号令みたいに挨拶をして、片づけて、荷物をしまいにいくことになりました。
懐かしかったです、その雰囲気。そうそう、これこれ、この感じ、って。前にも述べた通りうちの学園には文化部には部室というものが存在しないのですが、さすがに荷物というのはありますので、文化部が共用で使う倉庫みたいな部屋が、校舎の端っこにあるのです。文芸部も部誌の在庫を置かせてもらったり、世話になってました。
だいたいはそういうのは役職のあるひととかがやりますよね。
一部の部員は帰っていきましたが、後輩くんをはじめとした三年生や、三年生ではなくても主要メンバーは、倉庫へ荷物を片づけるそうで。
三年生にはまだ知り合いが多かったですし、まあそもそも後輩くんいますし。私は、そっちのグループといっしょに行動することになりました。
結果的に、私はいちばん距離の近しい後輩くんにひっつくようなかたちになりました。
当然のごとく、そこには例の後輩ちゃんもおりました。
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