71:「保健室の姫」みたいな後輩ちゃんとの出会いでしたよ。
私が高校二年生のときに、中学二年生。つまり、付属中学の生徒さんでした。
普通に、付属中学のない高校に通っていれば、完全にズレてしまって中高まではかかわることのなかった年齢差の相手です。現役だと想定して、大学でようやく四年生と一年生として交わるという年齢差ですね……。
その後輩ちゃんとの出会いは、保健室でした。
私には、まるで「保健室の姫」みたいに――思えました。まだ、どちらかというと、男子よりは女子にあこがれて夢を見ていた時代でもあったのです。どうやら同性を好きになる体質ではなかったようです、が、……ほら、中高生のころって、そういうのあったり、するでしょう。全員ではなくても、多くの女の子がそうやって……女の子といたがったり、するじゃないですか。まあだいたい、そんなような淡い感じだったりもしたのです、私も高校生のときには。
半分ほんとう、半分サボりの体調不良でよく保健室を利用するようになっていた私は、自然の成り行きで保健室の先生ともそれなりにお話をするようになりました。
保健室の先生はおふたりいらっしゃって、落ち着いたおとなの先生と、まだそれなりに若そうで声がころころとかわいい先生と、ふたり体制でした。おかげで寒さのせいで必然的に保健室が混む期間なども、ふたつ窓口があるわけですから、それなりにすぐに見ていただくこともできました。
ただ、普段からそこまで混むような保健室ではありません。
それに、基本的に授業の一時間ぶん休ませたら、次の授業に戻るかほんとにつらいなら早退で家に帰らせるか、そう選ばせるような雰囲気の保健室でもありました。
つまり、長居は許さないのですね。
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